久常涼 PGAツアー2試合終え「やっぱりちょっとレベルが高い…」

レベルの高さを実感もどこかワクワク感(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前(23日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)

「やっぱりヨーロッパよりちょっとレベル高いっすね」。PGAツアーの2試合を戦い終え、トリーパインズ入りした久常涼は、昨年まで戦っていた舞台と比較してしみじみとそう語った。先週の「ザ・アメリカンエキスプレス」は通算23アンダーの11位タイで終え、「伸ばしても、伸ばしても思ったように(順位が)上がっていかない。優勝した29アンダーのアマチュアもすごいけど、20アンダーを超えている選手がすごく多かった」と、周りのレベルの高さに驚いたという。

「やっぱりこっちの方がカットラインも含めてもう少しレベルが高いなって思います。3日間でカットラインが13アンダーでしたからね。コース的にはもちろん伸ばしやすいので、難しいことでもないとは思うんですけど、ただそれをちゃんとこなすプレッシャーを考えると…」。PGAツアーでは自分のギアをもうひと段階上げる必要性を感じている。

トリーパインズは初挑戦(撮影/服部謙二郎)

それでもルーキーイヤーながら、1戦目の「ソニーオープン」では堂々の予選通過、2戦目(前週)でトップ10間近という結果を出し、世界ランキング72位通りの実力を見せている。21歳の青年は、初の最高峰の舞台でプレッシャーを感じていないのだろうか。「あんまりないですかね。目の前のことをやるだけなので、正直な話あんまりその先は見られてないです。そういった意味ではマイペースにできているのはいいんじゃないかなって思っています」。そのいわゆる自然体な感覚は、昨年欧州に挑戦した時の序盤戦と雰囲気は似ていると話す。

PGAツアーのシード権を今年の目標に掲げている久常だが、目下の目標は憧れの舞台を見据えている。「やっぱり(世界ランキング)上位に行きたいですし、3月までだとやっぱり『ランク50位以内』っていうのはあって、マスターズのチャンスもまだなきにしもあらずだと勝手に思っています」と、マスターズ前週時点での世界ランキング50位以内に与えられる出場権を視野に入れているという。「あと25位近く上げるのは結構大変だとは思いますけど、やっぱりこういういい試合で上位に入れると、そのチャンスも増えてくると思うので頑張りたいです」

気負わずに自然体を貫いて臨む(撮影/服部謙二郎)

トリーパインズは初挑戦。PGAツアーの猛者たちも嫌がる難コースとして知られているが、「ラフに入ったら大変そうだから、フェアウェイをキープできるようにチョコチョコ打っていければいいかなと。ポアナグリーンも、まあみんなそんな得意じゃないと思うので、あんまりそこは深く考えずになんとかなればいいかな」と気負うことはない。

あくまで自然体を貫く久常。どこかやってくれそうなワクワク感は、日本で戦っていたころから変わっていない。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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