犬が遠い場所からあなたを見つめてくる理由6選 主な心理や理由別に飼い主がすべき応え方とは

犬が遠い場所からあなたを見つめてくる理由

犬と人間を同じように考えてはいけないのですが、それでも犬と人には似ている部分も多いようです。それは、他の動物と比べるて一緒に暮らしてきた歴史が長いからなのかもしれません。

気付くと、愛犬が遠くから飼い主さんのことをじっと見つめているということがよくあります。基本的に、動物は敵と視線を合わせることはありません。私たち人間同士でも、怒っている相手と正面から視線を合わせようとするツワモノは、そう多くはないでしょう。

ところが、犬は人とアイコンタクトをすることで意思疎通を図れる、数少ない動物です。ただし、全く興味のない相手のことを見つめることはあまりありません。犬が飼い主さんを見つめるのには、やはりそれなりの理由や心理状態が働いているのです。

今回は、遠くから飼い主さんを見つめている愛犬の主な理由や心理状態、そしてどのような応え方をするとよいのかなどについてご紹介したいと思います。

1.観察

まだ家に迎え入れられたばかりの犬でも、長年一緒に暮らしている犬でも、飼い主さんのことを遠い場所から見つめてきます。その多くの理由は、「観察」でしょう。

まだ迎え入れられたばかりの犬は、飼い主さんが一体どのような人なのかを知ろうとして、観察をしています。この機会をうまく活用し、あなたが愛犬に危害を加えるような存在ではないことをさりげなくアピールすることが重要です。

長く一緒に暮らしている犬は、飼い主さんが次に何をするのかをじっと観察しています。なぜなら、飼い犬は、何をするにも飼い主さんが主導する立場にあるからです。ただ、飼い主さんが愛犬にとって脅威を与えるような関係性にはならないよう、注意したいものです。

2.待っている

犬は、楽しいことを待ち望んでいる時に、遠くから飼い主さんを見つめていることがあります。大抵の場合、食事やお散歩などの時間は、飼い主さんのライフスタイルによって毎日同じような時間帯になります。

犬は時間の感覚を持っているため、「そろそろ◯◯の時間だ」と察知して「まだかな、まだかな」と、期待を込めて飼い主さんを見つめるのです。

3.警戒

逆に、嫌なことは避けたいという警戒の気持ちで飼い主さんを見つめていることもあります。

歯磨きやシャンプー、通院などの嫌なことも、時間や飼い主さんの様子から察知しますので、「捕まるものか」などと警戒しながら飼い主さんの行動を見守っているのです。

4.興味

飼い主さんの様子がいつもと違うと、「どうしたんだろう」とか「なんだか良いことがあるかも!」など、興味津々というような気持ちで飼い主さんを見つめていることもあります。

飼い主さんが落ち込んだり涙ぐんでいると、よく愛犬が寄り添ってくれたり涙を舐めてくれたりすることがありますが、これも飼い主さんを観察していていつもと様子が違うことに反応して起こされた行動です。

5.要求

犬は人とアイコンタクトを取って意思疎通を図ることができますので、婉曲的に要求を伝えようとして遠くから飼い主さんをじっと見つめていることがあります。

期待を込めて待っていたり、警戒しながら観察していたりする気持ちよりも、もう少し積極的に「早く」とか「嫌だ」と伝えようとしている場合もあるでしょう。

要求の気持ちがある場合、犬はオスワリをしたり尻尾を振ったりしながら見つめていることが多いようです。それでもなかなか気付いてもらえないと、さらに積極的な要求行動に変わるでしょう。

6.愛情表現

飼い主さん自身にも、特に意味がなくても好きな人のことが気になってしまい、気付くと目で追っていたということがあるのではないでしょうか。

犬も同じように、大好きな飼い主さんのことが気になり、じっと行動を目で追ってしまうことがあるようです。

飼い主さんがすべき応え方

愛犬と飼い主さんが見つめ合うことで、双方の体にオキシトシンというホルモンが活発に分泌され、母子間のような愛情が育まれることが分かっています。愛犬からの愛情深い視線を感じたら、やさしく愛犬を撫でながらアイコンタクトを図ってみてください。

愛犬の視線に要求の意図を感じた場合は、深く考えずに安易に期待に応えてしまうことのないように注意が必要です。

毎回要求に応じていると、「こうすれば◯◯してもらえる」と学習してしまい、要求が叶えられないと要求行動がエスカレートしてしまうことがあるからです。応えられること、応えられないことをルール化し、メリハリのある対応を取るように心がけると良いでしょう。

普段から、愛犬を怖がらせたりストレスを与えるような振舞いに気をつけているのであれば、じっと観察されている視線に気付いても、基本的には特に反応する必要はないでしょう。

ただし、歯磨きや通院などの愛犬が嫌がることは、準備などの作業をルーティン化してしまうことで察知されやすくなります。警戒されないよう、すっと行動に移れるように心がけると良いでしょう。結果として、愛犬にかけるストレスも抑えられます。

まとめ

愛犬が遠くから飼い主さんを見つめている理由や心理状態、対応の仕方などについてご紹介してきました。

基本的に、犬と人はアイコンタクトで意思疎通を図れる稀有な関係性を築いています。

愛犬との視線によるコミュニケーションを上手に活用し、よりよい関係性を築けるように工夫しましょう。

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