米ツアー最高フィニッシュへ 蝉川泰果はピンの新ウェッジ投入か

新しい「S159」のシルバーと使用予定の黒染め(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前(23日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)

練習ラウンドを終えた蝉川泰果のバッグに見慣れぬウェッジが入っていた。契約するピンの新しい「S159」というモデルで、テストしたばかりの今週、いきなり試合に投入する予定らしい。

「S159」の黒染め仕上げ(60度)(撮影/服部謙二郎)

「打ってみたくて、お願いしてこっちで作ってもらったんです。いくつかのモデルを打ったんですが、『H』というモデルがよくて」と、うれしそうにそのウェッジを見せてくれた。「S159」はバウンスの種類が豊富で、前作から「B」「H」というソールが加わったが、その「H」(ハーフムーン型の頭文字)にハマった。「フェースを開いたときに歯が浮くのが最近の悩みで、浮いているとトップしそうなイメージしか出なかったんですよ。でもこのHなら浮き具合がそんなにない」。特にトリーパインズの芝に合うようで、「ポアナっていうんでしたっけ?このグリーン周りの目の強いラフでもとすごく対処しやすい。球も上がりやすいですしね」。西海岸特有のねちっこい芝も後押ししたようだ。

ノースの9番でアプローチ(撮影/服部謙二郎)

最近、変えたことがもう一つある。アイアンの球をフェード一辺倒からドローを多めに―。「今までジュニア時代から、フェードで止めに行く球を打てないとダメと思ってやってきたんですが、マキロイの優勝シーン(前週の欧州ツアー・ヒーロー ドバイデザートクラシック)を動画で見て、ドローを多用しているなぁって。最近自分の球もつかまりが多いので、それならドローもハマれば使っていいのかなと」。世界トップ選手の球筋にインスパイアされた。「ハイドローが打てれば球も止まるし、無理にフェードで行くんじゃなくて、左ピンなんかも刺せるんじゃないかなって」と思っている。

PGAツアー最高フィニッシュを決めたい(撮影/服部謙二郎)

クラブを替え、球筋も変え、一年ぶりのPGAツアー3連戦(昨年と同じ3試合)で実に柔軟に対応しているように見える。本人は成長を感じているのだろうか。「だいぶ(気持ちが)切れなくなったかなと思います。ワンショットワンショットで、もっと喜怒哀楽があったんですが、その部分は減ってきたなって。アプローチ、パターも少しずつ改善できてきていて、全体的に少しだけレベルアップしているかなと思います」と自信をのぞかせた。

「4日間、アンダーパーで回り切ることを目標に頑張りたい。 自分のPGAでの最高順位を目指したい」。2週前の「ソニーオープン」30位を超える3連戦の集大成へ。一年間の成長を思いっきりぶつけたい。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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