「阪神・淡路」経験の元職員、神戸市が能登に派遣へ インフラ復旧や復興住宅設計の知見生かし支援

神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市は24日、能登半島地震の被災地に阪神・淡路大震災を経験した元職員らを派遣すると発表した。29年前の復旧作業や、それ以降の復興を担った人材の知見を生かす狙い。30日~2月3日にはまず先遣隊として、カウンターパート方式で支援に当たる石川県珠洲市にチームを送るという。

 神戸市によると、阪神・淡路を経験した元職員の技術者らが「神戸防災技術者の会」を結成し、2004年から災害経験の伝承や被災地支援に取り組んでいる。同会の会員を中心に任期付きの特別職として採用し、支援に加わってもらう。

 珠洲市への先遣隊は、60~80代の元職員6人と現役職員2人で構成。29年前に消防隊員として震災を経験した鍵本敦元神戸市消防局長のほか、インフラの復旧や復興住宅の設計などに携わった技術者が参加する。被災状況を調査し、まちの復旧や生活再建の段階に応じた支援方法を検討するという。

 久元喜造市長は会見で「(元職員は)阪神・淡路で復旧のフェーズがどう推移し、どのような課題が生まれたのかについて知見を持つ。そういった人材の派遣は震災を経験した神戸の強みだ」と意義を強調した。 (井沢泰斗)

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