ドラマ『院内警察』玄理(ヒョンリ)の努力が報われる“父娘エピソード”に視聴者感涙「ラーメン食べたくなった!」

フジテレビにて毎週金曜日に放送中のドラマ『院内警察』。本作は桐谷健太演じる院内刑事・武良井治(むらい おさむ)と瀬戸康史演じる天才外科医・榊原俊介(さかきばら しゅんすけ)の“謎めいた因縁”を主軸に置きつつ、毎話起こる“様々な事件”を解決していく医療エンターテインメント。1月19日に放送された第2話「ghost」では院内で勃発した“幽霊騒ぎ”の真相を探る裏で、玄理(ヒョンリ)演じる外科医・上條萌子(かみじょう もえこ)の温かなエピソードにスポットが当たった。患者である“炎上議員”との関係性の変化や、“自分のせい”で亡くなった父親との回想シーンには、視聴者から「べしょべしょに泣いた」「報われて良かった」など感動の声が多出。劇中で伏線として描かれた“ラーメン”にも「食べたくなった!」と反響が寄せられた。

(以下、ドラマ最新話までのネタバレを含みます)

◆幽霊騒ぎの裏で巻き起こる“執刀医争い”

阿栖暮(あすくれ)総合病院内に設置された『院内交番』に所属する武良井は、交番事務員の川本響子(長濱ねる)と院内をパトロール中、病室の入り口に“盛り塩”があることに気づく。聞けば、入院患者の清宮(でんでん)が「昨夜、長い髪の女性の幽霊に遭遇した」という。突拍子もない話に武良井たちは「幽霊は管轄外だなぁ」「やっぱ就職先、間違ったかなぁ…」とぼやきながらも、“幽霊騒ぎ”の捜査に乗り出していく。

幽霊の正体を暴くため聞き込みをする武良井 時には患者たちから重要なヒントを得ることも… 

同じころ、ごく希な症例【悪性心膜中皮腫(あくせいしんまくちゅうひしゅ)】の患者の主治医をしていた外科医・上條萌子(玄理)が、外科部長の倉田(神尾佑)に食ってかかっていた。手術を翌日に控えたなか「実績のある先生に任せるのが当然だ」と、突如執刀医を天才外科医・榊原に代えることを言い渡されたのだ。「毎回、榊原先生に難しいオペを奪われていたらこの病院の外科医は育ちません!」。理不尽な通達に憤慨する萌子だったが、榊原は患者本人からも執刀を依頼された事実を告げて、なお言い放つ。「ここは患者の意思を尊重すべきではないですか?」

部屋を飛び出した萌子は、患者の野田(松原正隆)に“理由”を問う。すると彼は「榊原先生なら、この病気の手術を成功させたことがあるんですよね?」と、おびえた様子で布団の端を握る。萌子は入念に準備を重ねてきたことを伝えるが、彼女の言葉を遮るように「それじゃダメなんです!」と叫ぶ野田。「私にとっては人生最後の手術になるかもしれないんです」。その言葉が決定打となり、萌子は泣く泣く主治医をおりたのだった。

患者からの“手術同意書”を掲げる榊原
萌子は担当患者の手術を“奪った”榊原をにらむように見つめる

そんな折、“荒くれガンキチ”の異名を持つ国会議員・岩井(ベンガル)が入院。実は「NPO団体へ暴言を発した」と批判を浴び“炎上”している只中であり、今回の入院もただ追及を逃れるためのものと噂されていた。病院内へ悠々と入っていく岩井を見た響子が「私、偉そうで好きじゃないです…」と顔を引きつらせていると、外科部長の倉田から不穏な“呼び出し”がかかる。「この“特別室”に不審な人物たちや記者が近づかないようにしてほしい」。景色のいい大きな病室でのほほんと過ごす岩井を前に、倉田は武良井たちに命じた。さらに同じタイミングで呼び出した萌子を“岩井の面倒を見る主治医”に任命。執刀医を代わられたばかりの萌子は「どこも悪くない人の“主治医”…!」といら立ちを露わにする。

翌朝、“院内資料”に埋もれたテーブルでアラームが鳴る。「こんなに熟睡したの、2週間ぶりかな」。自室のベッドで目を覚ました萌子は飾っていた家族写真から目を背けると、「情けない…」と布団に顔をうずめた。それでも萌子は、“特別室”へ向かう。すると検診のために食事を控えていたはずの岩井が袋麺のラーメンをすすっていた。その隣には、3K(軽薄で、空気の読めない、給料泥棒)と揶揄(やゆ)される院内警察の武良井の姿も。あきれ顔の萌子に、あげく岩井は“むせながら”「先生も食うか?」とすすめてくる始末。彼女は何かを思い出したような表情を浮かべるも「結構です。…嫌いなので」とだけ答え、そのまま出て行ってしまうのだった。

病室で“ラーメン”を食べる武良井と岩井 悪気は全くなさそうだ

名ばかりの主治医に辟易(へきえき)しながらも、萌子は院内の“飲み会”に参加することもなく日々の業務を粛々とこなしていく。あるとき彼女は、“特別室”を抜け出して入院児と楽しそうにしゃべる岩井を目撃。あどけない子どもを「かわいい」と話す彼が、実は自分の娘と10年も会っていないことを知った萌子は、また何かを思い出したようにどこか遠くを見つめる。……ふと、窓の外に榊原の姿が見えた。手術を無事終えた野田から感謝の言葉を贈られているようだ。医者は決して勝ち負けではないが、「医者も政治家も『あなたに任せたい』って言われてこそだ」と岩井は強く語る。彼の人間味あふれる素顔に気づき始め、萌子は笑みをこぼした。

そんな矢先、萌子は岩井の“体調”に違和感を覚える。時折むせているほか、声もややかすれている気がする。さっそく検査を行ったところ、岩井には【弓部大動脈瘤(きゅうぶだいどうみゃくりゅう)】が見つかり、その大きさから命の危険も伴うことが判明。萌子は早急な手術を勧めるが、岩井は政治家の命とも言える“声”の心配をしていた。萌子は正直に、この症例の手術ではまれに反回神経(声帯を動かす指令を脳から喉頭に伝える神経)が損傷することがあると伝えた上で、自ら執刀医になることを心に決める。……しかし、無情にも外科部長の倉田はまた萌子に、天才外科医・榊原に執刀してもらうことを告げるのだった。

天才とはいえ榊原ばかりに執刀医が回る現状に、武良井は疑念を抱いていた

◆萌子の背中を押したのは、 “父”の存在

肩を落とし院内を徘徊(はいかい)するように歩く萌子。不意に聞こえた“笑い声”の方へ向かうと、そこには大勢の入院児におもちゃやゲームを配る武良井の姿があった。“それら”は、子ども好きな岩井からのプレゼント。彼は自分が大病を患っていることを知ったばかりにもかかわらず、子どもたちに希望を与えることを優先していた。病室でも、岩井は自身の体より議員としての仕事を優先させる。その姿が萌子には、自身の父親と“悪い意味”で重なっていた。「……私の父は、私を医大に行かせるために働いて働いて、過労死しました」

ーー萌子の父は小さな工場を経営していた。彼女が高校生の頃、家計への金銭的負担を憂慮して医者になる夢をあきらめかけたとき、その背中を押してくれたのが父だった。『結婚をして、萌子が生まれて、自分の人生は幸せだ』と。『ただ一つ、工場を継ぐために“勉強”はあきらめたから、萌子には学ばせてやりたい』と。父の言葉で萌子は、再び医学部進学を目指し猛勉強を始めた。夜食はいつも決まって、父が作る袋麺のラーメンだった。そうして志望校「A判定」の試験結果を抱きしめながら帰宅したある日、父は倒れた……ーー

萌子は自問自答していた。野田から手術を任されなかったことも、岩井の執刀医に選ばれなかったことも、ただ自分が信頼されなかっただけだ。だが、榊原のような天才に力の差を見せつけられるたびに思う。自分は父を犠牲にしてまで医者になる価値があったのだろうか……。

そんな彼女の背中を押したのは、誰であろう岩井の言葉だった。「先生は俺の主治医だろ。勝手におりてもらっちゃ困るんだ」。困惑する萌子に、岩井は続ける。「俺の病気、自覚症状がないまま大きくなるのがほとんどで、見つけてもらったのはかなり運がいいんだって? 俺は、俺の病気を最初に見つけてくれた上條先生に任せたい」。そう言って岩井が差し出した“手術同意書”を、萌子はしかと受け取る。「……やらせてください」。その目には涙とともに、揺るぎない決意があふれていた。

岩井の手術を無事成功させた夜、萌子は久しぶりに“ラーメン”を食べた。刻んだネギとナルト、そして半熟卵を添えた“思い出の味”を……。

学生時代の、そして医者になってからのたゆまぬ努力があって、彼女は今ここにいる

◆“父娘”の愛に視聴者感涙!一方で、榊原の“闇”が暴かれ始める…

今回、武良井たちが初めに依頼された“幽霊騒動”の捜査は、実は萌子の一件にもつながっていた。榊原に執刀医を代わる前、萌子は難解な手術の練習を夜な夜なこっそりと行っており、その姿が目撃されていたのだ。その“努力”は執刀医を代わられた後も続いており、院内の“飲み会”に参加しなかったのもそのためだった。

今回のエピソードが放送されると、SNS上には「上條先生回感動しちゃった」「努力が報われて良かった」「わたしも上條先生に執刀してもらいたい」など、ひたむきに頑張る萌子への温かなエールが贈られたほか、「久しぶりにめっちゃ泣いた。こんな父親に憧れる」「私も父親を早くに亡くしたから、親の心ってものを考えさせられた」「ラーメン食べたくなった!」など、愛にあふれた父娘の姿に感動の声が上がっていた。

一方で、“武良井が榊原を追及する場面”は今話でも見逃せないシーンとなった。武良井の調べでは、榊原は手術前の野田にこっそりと近づいて不安をあおり、萌子から執刀医を代えるよう仕向けていたという。さらにこの半年で、榊原が“ほかの医師から患者を奪った例”は13件あり、いずれも高難度手術。そしてなぜか心臓疾患が多かった。榊原は他の難しいオペにも“手”こそ出すが、強引に奪うのは心臓病患者だけ……。何か特別な理由があるのかと武良井が尋ねると、榊原はやや口角をあげて言った。「ずいぶん私に関心があるようですが、私もあなたのことを思い出しましたよ。以前一度、お会いしましたね」

2人の間に潜む“因縁”はいつ明かされるのか……? 萌子が手術を成功させた岩井は、後に厚生労働大臣に就任したが、榊原はそのネット記事を見るや否やトントントントン……と、まるでいら立つように机を指で叩いていた。その不穏な姿にネットでは「最後のシーン見るとやっぱ毒?(1話参照)」「榊原先生のダークサイドが少しずつ見えてきてる感じ?いったい何考えてるの?」などの声が。今後の展開に期待が高まっている。

2人の“バチバチ”な探り合いは、本作の魅力のひとつだ

画像提供: (C)フジテレビ/共同テレビ

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