JR芸備線 2代目「ネコ駅長」就任へ

JR芸備線の「ネコ駅長」として親しまれ、5年前に死んだ「りょうま」のあとを継ぐネコが決まりました。2代目駅長になるのは、推定9か月のオスの地域ネコです。

駅長交代の舞台となった、JR芸備線「志和口駅」。その駅前の施設に、2匹のネコがやってきたのは、1月19日でした。間もなく、「2代目駅長」と「駅員」になる2匹です。世話をするのは、中原英起さん・78歳。2代目を探し続けてきました。

■中原英起さん

「やっとという感じ。ここまで来るのに大変苦労した。一応決まったから一安心」

初代ネコ駅長「りょうま」…。2010年ごろ、駅に住み着いたのを駅員だった中原さんが発見しました。構内を見回る姿はたちまち人気を集め、2万人が会いに訪れるほどに…。利用の低迷が続く芸備線を盛り上げてきました。

■訪れた人

「りょうまくん かわいいね」

しかし、2018年の「西日本豪雨」で芸備線が被災。その半年後、推定14歳でこの世を去ります。そして、一貫してつづく芸備線の利用低迷…。元・駅員の中原さんが駅と地域を守るために思いついたのが、「2代目ネコ駅長」の存在でした。

■中原英起さん

「来た来た、よしよし」

中原さんは県内各地を訪ね、駅長候補を探し回りました。そして出会ったのが、志和口駅の近くの民家に住み着いていた「地域ネコ」でした。

■中原英起さん

「しっぽが長いのが好き。(人に)慣れとるしね」

中原さんは、地元の人たちを集めて、2代目駅長の「準備委員会」を作り、芸備線を盛り上げるための議論を重ねました。駅長の不在も5年…。ようやく選んだのが、「りょうま」に似たこの兄弟ネコです。名前はまだありません。「りょうま」の足跡を展示する記念館の一角に迎え入れ、駅長の「研修」が始まりました。2代目駅長の帽子も初めてかぶりました。

■中原英起さん

「よう似合うで。ここのスターになるんじゃけえの」

様子を見に来た地元人たちも、歓迎します。

■地域の人

「すごくうれしい楽しみです。わくわくします。りょうまの2代目って感じ」

■中原英起さん

「りょうまが亡くなっても天国から(芸備線を)応援してくれて、一休みしてもらいたい。立派なネコが来たからあとは任せてくれ」

「りょうま」のあとを継ぎ、芸備線を盛り上げる2代目駅長誕生となるか…。間もなく名前を決め、1か月ほどの研修の後、就任式を開くことにしています。

《2024年1月24日放送》

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