冬の陽光浴び 増す白さと風味 浅口・鴨方 寒そうめん作りピーク

冬の陽光を浴びるそうめん=浅口市鴨方町小坂東

 手延べ麺の産地・浅口市鴨方町地区で、寒そうめん作りがピークを迎えている。晴れた日には、麺を延ばす「門(かど)干し」を屋外で行う昔ながらの風景が見られ、無数の麺が冬の陽光を浴びて白く輝いている。

 空気が乾燥する冬場が作業に適しており、日光に当てることで麺がより白くなり、風味も増すという。河田賢一製麺工場(同市鴨方町小坂東)では、河田紘志工場長(82)らが竹箸を使って生地を約2メートルの長さまで丁寧に延ばし、2時間半ほど天日にさらす。乾燥後は切りそろえ、岡山県内をはじめ全国に出荷する。

 鴨方町手延(てのべ)素麺(そうめん)生産者協議会(10業者)などによると、近年は屋内乾燥が主流で天日にさらすのは同工場だけという。河田工場長は「今季は雨が少なく、品質は良い。手間はかかるが根強いファンのため伝統を守りたい」と力を込める。

 寒そうめん作りは3月末ごろまで続く。

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