大の里、ほろ苦大関初挑戦 高校時代以来、豊昇龍と対決 【がんばれ!郷土力士】

高校相撲金沢大会で対戦した高校時代の大の里(下)と豊昇龍=2017年5月、金沢市の石川県卯辰山相撲場

  ●初の連敗、25日横綱戦

 大相撲初場所11日目の24日、新入幕の大の里は初の大関戦となる豊昇龍との一番に臨んだ。第101回高校相撲金沢大会(北國新聞社主催)以来7年ぶり2度目の直接対決は1学年先輩の大関に再び屈した。初の連敗で8勝3敗となったものの、トップとは2差。12日目は横綱照ノ富士との対戦が組まれ、結びの一番に登場する。

 7年前は高校相撲の聖地・卯辰山が舞台だった。当時、豊昇龍は日体大柏高3年、大の里は海洋高2年で、豊昇龍が内掛けで8強に進んだ。

 プロになって迎えた一番。大の里は立ち合いで当たり負けず、右をねじ込んだ。持ち前の圧力で前に出るも、タイミングを合わされて豪快に下手投げで転がされた。それでも、土俵際まで押し込むパワーを見せつけ、館内を沸かせた。

 10日目は1敗で単独首位の琴ノ若に完敗し「自分の持ち味が2日連続で出し切れなかった」。23歳のホープは悔しさをにじませたが、横綱戦には「光栄なこと。思い切りやるだけ。今場所は自分がどこまで通用するかだと思う」と前を向いた。

 新入幕力士が横綱に挑むのは2014年秋場所で逸ノ城が鶴竜、白鵬と対戦して以来、10年ぶり。藤島審判部副部長(元大関武双山)は「どこまで押しが通用するか。面白い一番ではないか」と語った。逸ノ城は幕下15枚目格付け出しから5場所目の横綱挑戦で、13日目に鶴竜を破り、14日目は白鵬に敗れた。

 大の里は優勝争いから後退したものの、八角理事長(元横綱北勝海)は「大器の片りんがある。がっぷり四つの相撲を見てみたい」と大きな期待を寄せた。

  ●輝は勝ち越し王手

 東十両7枚目の輝は東十両2枚目の錦富士を突き、押しで我慢強く攻め、押し出した。7勝目を手にし、3場所ぶりの勝ち越しへ王手をかけ「あまり意識しないように。圧力をかけられたと思う。変わらずに一日一番、集中してやりたい」と語った。

  ●欧勝海5勝目

 新十両の欧勝海は2連勝で5勝目を挙げた。西十両8枚目の紫雷を左四つがっぷりの体勢から強烈に引きつけ、寄り切った。「落ち着いて出ようと思った。連勝はポジティブに考えたい。最後まで気持ちを切らさず、一番一番取っていく」と意気込んだ。

 西前頭13枚目の遠藤は2場所連続の負け越しが決まった。関脇経験者の明生の出足に一方的に後退し、押し出された。残り4日間は幕内残留を懸けた闘いとなる。

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