イギリスで使われていた2階建てバスをアンティーク調に改装した岡山市のカフェが「写真映えする」と人気だ。観光目的で岡山県外から訪れる人も多く、店を営む吉岡さおりさん（49）は「車内の雰囲気を楽しんでもらえるとうれしい」と話す。（共同通信＝山本紘平）
岡山市北区の住宅街に、年季が入った風合いの赤と白の外装が目を引く大きなバスがたたずむ。バスの行き先表示は「MONTAGUE（モンタギュー）」。車内で営まれるカフェの店名だ。
乗降口から乗り込むと、運転席に置かれたシルクハット姿の胸像と目が合う。2階にはアンティークのソファやトランクケース、アメリカの映画館で使われた椅子を生かした客席が並ぶ。
店をプロデュースしたのは夫の伸治さん（49）。「アンティークが好きで2階建てバスに憧れていた」といい、アンティーク店を営む知人から「バスが買える」と聞いて購入を決め、イギリスから船で輸入。カフェの店舗にしようと、元々は紫だった外装を塗り替え、車内の壁にさびのある金属のパネルを貼り付けるなど改装を施した。
2015年ごろにさおりさんがカフェを始めると、写真映えすると交流サイト（SNS）などで話題になり、県外からも客が訪れるように。新型コロナウイルス禍で客足が減ったこともあり2022年秋に休業したが、復活を望む声を受け2023年春、自宅近くに移転、再開した。
人気メニューは、マヨネーズやマスタードの甘辛いソースをかけた「ハニマヨポテト」。チーズケーキやマフィンなどのスイーツも好評だ。「いずれ岡山の中心部に移転して、夜の営業を始めたい」と伸治さん。店は毎週木―日曜日の午前11時～午後5時に営業している。
