大分トリニータ 最適な組み合わせを見つけ、完成度を高める 【大分県】

2月25日の開幕ベガルタ仙台戦まで早くも残すところ1カ月となった大分トリニータ。チームが始動して2週間余り。片野坂知宏監督は、攻守に切れ目のない「シームレスなサッカー」を目指している。このスタイルに選手たちは理解を示しており、今日から始まる宮崎キャンプが、より重要な意味を持つことになりそうだ。

今季2度目のトレーニングマッチとなった24日のヴェルスパ大分戦では、昨季も採用したシステムをベースにすることを示唆した。片野坂監督は選手たちを複数のポジションで試しており、現在は手探りの様子。中でも守備に関しては、できるだけ前から奪うという大枠があり、守備のスイッチャーとなる前線の組み合わせがポイントとなりそう。「奪うところの強度や距離感は選手それぞれで違うが、シーズンに入る前に共有できればいい。最初から細かく言いすぎると考えすぎて持ち味が出ない。コミュニケーションを取りながら約束ごとを決めていけばいい」(片野坂監督)と焦りはない。

シームレスなサッカーを目指す

中盤の底でプレーする弓場将輝は「ボールを失ったときのバランスは課題だが、奪ったらゴールに向かう姿勢を出せた」と話し、ヴェルスパ戦では2得点を決めた。流動的に動く前線とのバランスを考えながら、しっかりとボールの奪いどころを定め、相手に襲いかかる。それは片野坂監督が理想とするプレーを体現しており、「仕掛けの動き」でリズムをつくるなど存在感をアピール。今季も攻守の核として重要な役割を担うことなるだろう。

より高い位置でボールを奪って攻撃につなげるコンセプトは浸透しつつある。十分な手応えを得るには至ってないものの、選手の組み合わせ次第でチャンスをつくる形が変わるなど、得点に結びつくまでのバリエーションは増えつつある。開幕までに完成度を高め、スタートダッシュにつなげたい。

存在感を示した弓場将輝

(柚野真也)

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