自民安倍派の末松、関、加田氏が不記載認める 資金パーティー収入の還流分、584万~836万円

自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題を巡り、会見を開いた末松信介参院議員=24日午後、東京都千代田区、参院議員会館

 自民党安倍派の末松信介元文部科学相(参院兵庫選挙区)は24日、同派の政治資金パーティー裏金事件を巡り、参院議員会館で記者会見を開いた。派閥からの還流分などの不記載額は2018年からの5年間で計584万円だったとし、還流については「知らなかった」と関与を否定した。また、同派の関芳弘衆院議員(兵庫3区)と加田裕之参院議員(兵庫選挙区)も神戸新聞社の取材に対し、不記載がそれぞれ836万円、648万円に上ることを明らかにした。

 末松氏は会見の冒頭、「国民や地元の方々の政治不信を招き、深くおわびを申し上げる」と陳謝。参院予算委員長の辞任を表明する一方で、離党や議員辞職は否定した。

 還流について「事務方は、派閥側から『収支報告書には記載しなくていい』と聞き、違法性はないと信じ切っていたようだ」と釈明した。その上で、還流分は、秘書の交通費や会合の出席費用などの政治活動に使ったと説明。近く収支報告書を訂正するという。

 末松氏は派閥の常任幹事会のメンバー。19日の派閥の幹事会で塩谷立座長らに対し、どのような経緯で還流が続けられてきたのか、説明を求めたことを繰り返した。今後の政治活動については「国や地域の問題に取り組み、一つ一つ実現して、信頼回復していくしかない」とした。

 加田氏の還流分は20~22年の3年間で、派閥から会計処理に関する明確な説明がなかったため事務所で管理していたといい、「私的流用や法令に反する支出は一切ない」と釈明した。今後、収支報告書を訂正するという。「国民に疑念を持たれたことに改めておわびする」と話した。

 関氏は還流分について書面で「一切使用せず保管していた。派閥の考えも踏まえ、寄付として扱う」とし「支援してくださった方にご心配とご迷惑をかけたことを心からおわびする」とコメントした。(堀内達成、末永陽子)

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