ウィリアムズ兄弟躍動のアスレティックが120分の激闘制し4強入り…バルセロナは21世紀最年少弾ヤマルの決定機逸も響いて力負け…【コパ・デル・レイ】

[写真:Getty Images]

コパ・デル・レイ準々決勝、アスレティック・ビルバオvsバルセロナが24日にサン・マメスで行われ、120分間の激闘を4-2で制したアスレティックが準決勝を決めた。

ラウンド16で3部のウニオニスタスを3-1で下したバルセロナは、ベスト4進出を懸けて難敵アスレティックとのアウェイゲームに臨んだ。直近のレアル・ベティス戦で劇的な4-2の勝利を収めたブラウグラナは、リーグ5位に位置するバスクの雄との一戦に向けて先発1人を変更。パウ・クバルシに代えてクリステンセンを復帰させた。また、負傷明けのカンセロがベンチに戻ってきた。

注目の強豪対決はキックオフ直後にいきなり動く。開始40秒、ラミン・ヤマルの自陣での不用意なボールロストからニコ・ウィリアムズが左サイド深くから折り返す。この流れからマルコム・アドゥ、サンセトと続けて放ったシュートのこぼれ球を、最後はボックス中央のグルセタが冷静にゴール左上隅へ蹴り込んだ。

難所での開始早々の失点によってバタつくバルセロナに対して、畳みかけたいアスレティックは左のニコを起点に縦に速い攻撃で際どいシーンを作り出す。

時間の経過とともにボールを持てるようになったバルセロナだが、課題のアタッキングサードの攻略の部分ではコンパクトなアスレティックの守備を前になかなか効果的なプレーを見せられず。さらに、20分過ぎにはスプリントした際に右ハムストリングを痛めたバルデがプレー続行不可能となり、フォルトのスクランブル投入を余儀なくされる。

ビハインドに負傷者と逆境に陥るチャビのチームだったが、思わぬ形から同点ゴールが生まれる。26分、左サイドで味方からの浮き球フィードを巧みに足元で収めたフェラン・トーレスがカットインから中央でフリーのレヴァンドフスキにラストパス。これは相手DFに引っかけられたが、ゴール前でDFユーリのクリアに反応したレヴァンドフスキが見事な読みで左足を出すと、これが絶妙なブロックショットの形でゴールネットを揺らした。

悩める主砲の一撃で息を吹き返したアウェイチームは、直近のベティス戦で躍動した16歳が魅せる。相手陣内右サイドでクンデからヘディングパスを受けたヤマルは絶妙なコース取りのドリブルでボックス付近まで運ぶと、最後はゴール左下隅へ狙いすました左足のシュートを突き刺した。なお、16歳195日で決めたこのゴールは21世紀のコパ最年少ゴールとなった。

前半終盤にかけてはビハインドを背負ったアスレティックが攻勢を仕掛ける展開となったが、守備の局面で集中度を増したバルセロナが要所を締める守備で対応。この結果、アウェイチームの1点リードで試合は折り返した。

迎えた後半は前半同様にアスレティックが早い時間帯にゴールを奪う。49分、ユーリの果敢な縦への突破から相手陣内左サイドでボールを引き取ったニコが右足に持ち替えて正確なクロスを供給。これをファーでフリーになったサンセトが叩きつけるヘディングで合わせた。

これで2-2の振り出しに戻った試合はホームチームペースで進んでいくと、押し切りたいバルベルデ監督はアフリカ・ネーションズカップ帰りのイニャキ・ウィリアムズを早いタイミングで投入。そして、ニコとイニャキのウィリアムズ兄弟を起点に幾度も良い形を作り出すが、最後のところで仕留め切れない。

一方、後半は完全に守勢を強いられたバルセロナは65分、レヴァンドフスキのスルーパスに抜け出したヤマルがボックス内でGKと一対一の決定機を迎えるが、チップキックでのフィニッシュはわずかに枠を外れて勝ち越しのドブレーテとはならず。その後、チャビ監督は負傷のクリステンセンに加えてレヴァンドフスキを下げてクバルシ、フェリックスを投入。15分余りを残して3度の交代機会を使い切った。

後半終盤にかけて一進一退の攻防が続いたなか、86分にはバルセロナに試合を決める絶好機が舞い込む。ディフェンスラインでボールの処理をもたついたパレデスからボールを奪い切ったヤマルがボックス内でGKを右にかわして無人のゴールへシュートを放つが、利き足とは逆の右足だったこともあり、これを枠に飛ばすことができなかった。

互いに決め手を欠いたことで、ベスト4進出の行方は延長戦に委ねられることに。延長前半では中盤での潰し合いが目立ち、なかなか決定機まで持ち込めない状況が続いたが、アスレティックの頼れるエースが決定的な仕事を果たす。

延長前半アディショナルタイム2分、左サイドからの仕掛けから中央のビジャリブレが右足アウトを使った技ありのラストパスを通すと、ボックス右に持ち込んだイニャキの1本目のシュートは右ポストを叩いたものの、撥ね返りを冷静にタップインした。

これで厳しくなったバルセロナは延長後半にマルク・ギウを投入し、パワープレー気味に同点ゴールを目指すが、なかなか効果的に攻め切れない。その後、イニャキの決定機をGKペーニャのビッグセーブで凌いで可能性を残したが、完全にガス欠のアウェイチームは決定機はおろかシュートを打つこともできない。

すると、延長後半終了間際にはアスレティックがショートカウンターからニコがトドメの4点目を奪い切って4強を懸けた激闘は完全決着。ウィリアムズ兄弟躍動のアスレティックがバルセロナを延長戦の末に振り切り、ベスト4進出を決めた。

一方、敗れたバルセロナはスーペル・コパに続く今季2つ目のコンペティション敗退となった。

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