5月に誕生150周年の神戸元町商店街、戦前の姿よみがえる 聞き取り、文献を基にCGで ホームページで公開

和風の建築物とともに並ぶ洋風の建物(神戸元町商店街連合会提供)

 5月に誕生150周年を迎える神戸市中央区の神戸元町商店街が、立体コンピューターグラフィックス(CG)で現在の1番街と3丁目周辺の戦前の姿をホームページ(HP)で公開している。現在もシンボルとして愛されるが戦争によって供出された昔の「スズラン灯」のほか、商店街の入り口に立つ大丸神戸店、市内の路面を走行していた神戸市電など、かつての姿が画面上によみがえる。(門田晋一)

 作成したのは自営業の竹田眞さん(67)=同市東灘区。本業は企業向けの業務プログラムを手がけ、趣味として、聞き取りや文献などを基に、昔の神戸の風景や建築を映像化している。

 今回の作品は商店街150年を見据え、1年ほど前から制作。昔の商店街の写真や市文書館が所蔵している地図などを参考に、コンピューター利用設計システム(CAD)を駆使して、1935~40年に実在した商店など数百棟を描いた。

 商店街の通りの両側には洋服店や貴金属店、写真館が並び、多くが和風建築だが、れんが造りや洋風建築もありハイカラな雰囲気を醸し出す。立ち並ぶスズラン灯は、柄の部分にある細かな渦巻きの意匠がアクセントとなっている。設定で歩行者視点や鳥の目で鑑賞でき、時間も変更可能。シーンに応じた通りのムードを楽しめる。

 竹田さんは「写真だけでは分からない当時の様子を、いろんな角度から眺めてほしい」と話している。

 HPでのCG公開は28日までだが、研究や教育など非営利目的の使用には協力するという。同商店街連合会事務局TEL078.391.0831

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