中津市の徳岡さん、県内で初のブレイキン公認指導者資格 普及や競技力向上に奔走【大分県】

ブレイキンの公認指導者資格のライセンスAを取得し、普及に尽力する徳岡亮介さん=中津文化会館
ブレイキンの普及に努める徳岡亮介さん

 今年のパリ五輪で正式種目となるブレイキン(ブレイクダンス)の公認指導者資格「ブレジュケーション」のライセンスAを、中津市三光成恒の会社員徳岡亮介さん(36)が県内で初めて取得した。ブレイキンは1970年代に米ニューヨークのストリートで発祥し、スポーツとしての歴史は浅い。同市を中心に、県内での普及や競技力向上に奔走している。

 中津工(現中津東)高時代にダンス番組を見て衝撃を受け、20歳を前に第一線へ飛び込もうと上京した。アルバイトで生計を立てながら、ダンサーが集う新宿のビルに日夜足を運び、ガラスを鏡代わりにして技を磨いた。

 結婚を機に26歳で帰郷。営業職の傍ら、現役プレーヤー「TOKU」として活動を続ける。競技の注目や人気が高まり、ブレイクダンス専門スクール「クラシックス」を中津、宇佐両市で主宰。他教室も含めて週6日、小中高生を中心に約200人を教えている。

 ブレイキンはダンスのオリジナリティーが求められる。動きも激しく、頭部や手首、腰などに大きな負担がかかる。「適切な環境で練習しないと必ずけがをする」。自らの経験を基に、安全面を最優先に指導してきた。

 国内の指導環境は発展途上で、統一した基準もなかった。このため、NPO法人日本ブレイクダンス青少年育成協会(金沢市)はライセンス制度を導入。14日に初の実技試験があり、徳岡さんを含む12人がライセンスAを取った。さらに上位のマスターは3人が取得している。

 将来的には国民スポーツ大会でも競技として採用する動きがあり、大分から全国に通用する選手を育てたい考えだ。「競技としての特性が高まり、相手を敬うモラルも求められている。いつか大分から世界に羽ばたくビーボーイ、ビーガールを輩出したい」と夢を口にした。

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