県内最年少14歳で「甲種危険物取扱者」合格 岩田中の田中さん「理数系科目を極めたい」【大分県】

県内最年少の合格を表彰された田中公也さん=大分市岩田町の岩田学園
武藤康彦県支部長(左)から免状を交付された田中公也さん

 【大分】大分市岩田町の岩田中3年の田中公也(ともや)さん(15)が「甲種危険物取扱者」の国家資格に合格した。受験時(昨年11月)は14歳で、県内で最年少の合格記録を樹立。九州の中学生としては昨年度の熊本県に次いで2人目。23日、岩田学園で免状が交付された。

 田中さんは小学4年生の時、母美佳さん(46)から冗談半分で、本紙に掲載された大学入試センター試験の化学の問題を「やってみたら」と渡された。田中さんはお年玉で化学や物理学の参考書を購入し、問題と向き合ったのが始まり。

 県が市内に開設した体験型子ども科学館「O―Labo(オーラボ)」で実験に参加し、興味が加速。自己流で実験するようになり、美佳さんが「危ないから危険物取扱者の資格を取ってみては」と勧めたという。

 中学1年の6月に乙種第4類、11月に同第3類・5類・6類を受験し、一発合格した。乙種4種類合格で最上位資格となる甲種の受験資格を得て、2年から挑戦。危険物に関する法令や物理学、化学、危険物の性質などを学び、4回目の試験で見事に合格した。

 交付式では一般財団法人消防試験研究センター県支部の武藤康彦支部長が田中さんに免状と、最年少合格の表彰状を手渡した。武藤支部長によると、実務経験を問わず、乙種合格者が甲種を受験できるようになった2008年度から15年間で、15歳以下の合格率は0.05%という。

 田中さんは「跳びはねるくらいうれしかった。化学は同じような形をした構造でも性質が違うところが面白い。高校で理数系科目を極めたい」と話す。

 クラス担任の河野智浩教諭(44)は「穏やかで優しい。本が好きで、自分が夢中になれることに対し、寝食を忘れて頑張れる」とたたえた。

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