東大発宇宙ベンチャーに補助金 茨城県 つくばに開発拠点建設

大井川和彦知事から認定書を受け取ったPale Blueの浅川純社長(左)=県庁

茨城県は、成長産業の本社機能や研究所の誘致を目的にした県企業立地促進補助金について、東大発宇宙ベンチャー「Pale Blue(ペールブルー)」(千葉県柏市)の生産技術開発拠点を茨城県つくば市内に立地する事業計画を認定した。約1億5千万円を補助する予定。24日、県庁で認定式が開かれた。

同社は2020年に創業し、衛星用推進機(エンジン)の開発や販売などを手がける。推進機はロケットで人工衛星を打ち上げた後の宇宙空間で、衛星を動かすための重要な装置。推進剤と呼ばれるものを宇宙空間で噴射し、その反力で動く。同社は水を推進剤に用いた推進機を提供し、安全かつコスト面で優れた衛星利用の拡大を図る。

つくば市の生産技術開発拠点は、万博記念公園駅周辺の工業地域に建設。敷地面積は約1911平方メートル。事業費は約16億円で25年8月操業予定。水推進機の事業拡大に向け、量産型の開発や製造・試験の役割を担う。柏市の拠点から近く、交通利便性が高いことが進出の理由という。

同社の浅川純社長は「茨城県の経済発展にも貢献しつつ国内外でさらなる飛躍を目指す」とし、大井川和彦知事は「衛星はこれまで以上になくてはならないもの。茨城で発展していってほしい」と期待した。

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