近世の旅事情分かる絵図や書物など62点 臼杵市歴史資料館で企画展「旅に出よう!」【大分県】

旅人が鹿せんべいを与える様子が描かれた「大和名所図会」=臼杵市市浜の市歴史資料館
長さ7.4メートルの「江戸九州間海陸道絵図」など計62点を展示

 【臼杵】臼杵市市浜の市歴史資料館で、近世の旅に関する資料を紹介する企画展「旅に出よう!」が開かれている。江戸時代から近世にかけての旅事情が分かる絵図や書物など計62点を展示。3月18日まで。

 伊勢参りの案内書「伊勢参宮名所図会」、日光東照宮やその門前町の様子を描いた絵図「日光之図」などが並ぶ。「江戸九州間海陸道絵図」(長さ7.4メートル)は東海道の経路や箱根の関所、大井川を馬で渡る大名行列などが細かに描写されており、「見応えあり」と同館。

 奈良県の名所・名産などを解説した「大和名所図会」では、春日神社近くの茶屋で休憩する人がシカに餌を与える様子が見られ、現在も観光客に人気の「鹿せんべい」が江戸時代にはすでにあったことがうかがえる。

 この他、臼杵市の修学旅行の歴史を紹介する資料や、土産品として売られた明治・大正時代の臼杵石仏や風連鍾乳洞の絵はがきなども展示している。

 同館は「時代と共に変わっていった旅の様子や、過去の人がどのように旅行を楽しんだのかを知ってもらえたら」と呼びかけている。

 開館は午前9時半~午後5時半。火曜休館。2月11日と3月10日には専門員が展示品を解説するギャラリートークがある。問い合わせは同館(0972.62.2882)。

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