富裕層の訪日客取り込みへ 新年度に栃木県が新事業「地域資源を活用した体験旅行」「健康ツーリズム」

 福田富一知事は24日に定例の記者会見を開き、新年度(2024年度)に富裕層の外国人観光客向けに新たな事業を行う方針を発表しました。

 政府観光局が先週発表した12月に日本を訪れた外国人は、273万4000人でコロナ禍以降で最多を更新するととともに、12月としても最も高くなりました。栃木県内に宿泊した外国人客は、去年(2023年)1月から10月までの速報値で延べ36万1130人となり、年間の過去最多を更新しています。

 福田知事は会見で「旺盛な観光消費活動を積極的に取り込みたい」と述べ、新年度に行うインバウンド向け事業の一部を説明しました。

 県は今年度(2023年度)、観光庁のモデル事業で富裕層向けにヘリコプターを使って奥日光を巡るツアーを販売しています。しかし、国との調整に時間がかかり事業の実施が去年10月上旬からと最も売りにしたかった紅葉の時期までに販売と周知の期間を確保できず、これまでに応募者は、ゼロとなっています。この結果とインバウンド客の増加に伴い、宿泊施設側で富裕層向けサービスの価格設定や情報発信に悩む声があったことから、新年度、旅行デザイナーのような専門家を置き、セミナーなどを開いて受け入れ体制を強化します。事業費は約1400万円を見込んでいます。

 そして、もう一つが滞在時間の長期化を狙った地域資源を生かした体験型旅行の推進です。

 県がアメリカ、台湾、タイを対象に行ったニーズ調査では「温泉」の需要が高くこれにゴルフ、イチゴなど栃木県の強みを組み合わせて健康ツーリズムをはじめとする新しい形の旅行の醸成を目指します。

 事業費は約2100万円になる見込みで、まずは、旅行会社を対象にツアーを行い、その先の商品化を見据えます。

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