世界的霊長類学者・河合雅雄さんの顕彰室 ふるさと丹波篠山に4月開設 書斎再現、愛用品展示も

4月にオープンする顕彰室のイメージ図。木材の隙間から動物や鳥のイラストがのぞく(丹波篠山市提供)

 兵庫県丹波篠山市出身の世界的霊長類学者・河合雅雄さん(1924~2021年)の業績を紹介する顕彰室「万兎(まと)の部屋」(仮称)の開設日が4月13日に決まった。オープン式典や記念講演会などを催す。施設の詳細などとともに、市が1月24日の議員全員協議会で明らかにした。

 河合さんは、京都大霊長類研究所所長などを歴任。徹底したフィールドワークでサルに文化があることを立証し、世界的に注目された。晩年は丹波篠山で過ごし、名誉市民となった。

 顕彰室は丹波篠山市民センター(同市黒岡)の図書コーナー内に設けられ、広さ約35平方メートル。部屋の名称は、児童文学者でもあった河合さんのペンネーム「草山万兎」に由来する。

 正面入り口周辺は雑木林のイメージで、不規則に木材を組み合わせる。2ゾーンの構成で、「デスクワークゾーン」では書斎を再現し、著書も並べる。偉業をパネルで年代記的に紹介し、理念や思想も伝える。「フィールドワークゾーン」には、カメラや双眼鏡など現地調査での愛用品を中心に展示する。全体に森の緑や土をイメージさせる配色でまとめる。2月着工で、3月末ごろに完成予定。市担当者は「多くの市民に河合さんの教えを学んでもらえれば」と話している。(堀井正純)

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