「マルス-ゼロの革命-」武藤将吾×平川雄一朗のSP対談が実現! クリエーターが語る主演・道枝駿佑“ゼロ”の魅力

テレビ朝日系連続ドラマ「マルス-ゼロの革命-」(火曜午後9:00)の脚本を手掛ける武藤将吾氏と、監督を務める平川雄一朗氏のスペシャル対談が行われ、初回を振り返りながら、作品の魅力や今後の展望を語り合った。

「マルス-ゼロの革命-」は、爽快な新感覚青春ドラマであり、スクラップ&ビルドしていこうとする落ちこぼれ高校生たちの姿を描いた“青春クーデターサスペンス”。「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)などを手掛けた人気脚本家・武藤将吾氏が3年ぶりに完全オリジナルで描く。

落ちこぼれ高校生たちを「俺と一緒にこの世界をぶっ壊そう」と扇動していく、桜明学園高校に来た謎の転校生・美島零(道枝駿佑)。人心掌握に長け、いつの間にか人の心の隙間に入り込み、言葉巧みに操っていくカリスマ性を持ち合わせている零=“ゼロ”に扇動され、逢沢渾一(板垣李光人)、貴城香恋(吉川愛)、二瓶久高(井上祐貴)、桜庭杏花(横田真悠)、呉井賢成(山時聡真)、桐山球児(泉澤祐希)は、動画集団・マルスを結成し、大人が作った社会を壊し、再構築していくことになる。

いよいよスタートし、放送中には世界トレンド1位を獲得した「マルス-ゼロの革命-」。初回放送を終えた感想を聞かれると、武藤氏は「“青春ドラマ”というのは『3年A組-』以来だったので、『高校生書けるかな…』と思いながら書き始めたんですが、結果、できたものを見てみると、これまでにあまり見たことがないようなテイストの作品になったように感じました。それは平川監督の演出のおかげで、僕が思っていたよりも、時に軽やかに時にハードに、メリハリのある作品になっていて、見ていてとてもうれしかったし、新鮮な気持ちになれました」と振り返る。「実はちょっと眠かったんですけど、目がバキバキになるくらい興奮しました(笑)」と笑いを誘いながら、「僕が書いたものをスタッフ・キャスト陣が一丸となって具現化し、皆さんの熱量のおかげで、自分が思っていた以上の“マルス感”があるエネルギッシュな作品になったと思います」と、満足のいくオンエアだった様子。

平川氏も「テレビ朝日では初めてのドラマだったので、オンエアを見て無事に着地したことにホッとしました(笑)」と本音をこぼしながら、「編集をしながら『あ、僕たちは武藤さんを大きな愛で包んでいるな』と感じたんです(笑)。武藤さんの作家性、メッセージ性を一般視聴者にどう伝えるかということに注力できたし、武藤さんの高い熱量を受け止めて、若い役者さんたちが演じるというのが一番大変だったと思います。みんなよく頑張ったと思います。それが視聴者の皆さんに届いて、元気をもらってくれたらいいなと思っています」と、役者への感謝も述べた。

主演を務めるのは、なにわ男子の道枝。これまでの爽やかなイメージを覆すような、カリスマ性のある主人公・ゼロを演じているが、道枝が作り上げるゼロにも、2人は感じることがあったようだ。

武藤氏は「ゼロというキャラクターが彼(道枝)のパブリックイメージとかけ離れていたので、それをどう覆してくれるだろうと楽しみにしていたんです。彼がすごく悩みながら監督と2人で作り上げたゼロというキャラクターで、皆さんが思っている“道枝駿佑像”をひっくり返せることにワクワクしていましたし、それを確信したので、オンエアを見た時はガッツポーズしました。『みんなが知らない道枝駿佑を表現できた』と喜びを感じました」と、道枝のことを大絶賛。

道枝とは2度目のタッグとなる平川氏は「実は道枝さんとクランクイン前に相撲を取ったんです」と気になる言葉で切り出すと、「道枝さんって細いし優しそうだし…なので僕は負ける気がしなかったんですよ(笑)」という本音に会場からは笑いが。しかし、「撮影が始まって、日々ゼロになっていく道枝さんを見ていると、どんどんたくましくなっていて、その成長が著しいなと思うとともに、今はもう相撲を取ろうとは思わないですね(笑)。視聴者の皆さんにはそんな道枝さんの頑張りが届いて、『こんなに頑張ってるんなら、自分も頑張ろうかな』って思ってもらえたらうれしいです」と真剣なまなざしで、道枝の魅力を力強く語った。

第1話では、ゼロの謎めいた部分だけではなく、ゼロと因縁のある雰囲気を漂わせる國見亜門(江口洋介)の登場など、今後に向けて気になるところが随所に張り巡らされた。

そんな中でこの作品の“考察ポイント”について、武藤氏は「『新生マルスには、なぜあのメンバーが集められたのか』『國見はマルスの映像を見て、何を思ったのか』、そのあたりは後々明かされていくポイントです」とコメント。さらに、「初めて演出を含めて『こういうふうにやりたい』と演出チームにも相談させていただきました。あからさまではなく、よくよく見ると実はしっかりと撮ってもらっている“重要な表情”などがあるので、ぜひ何度も繰り返し見ていただきたいですね」とアピールした。

また、ゼロをはじめ個性豊かなキャラクターの魅力に関しても「ゼロは、カリスマ性や何を考えているのか分からないミステリアスな部分。その対比として板垣さん演じる渾一がいて、彼が視聴者の心情を最も表していくのではないかと思います。ゼロに振り回されながら成長していく姿にもご注目ください。そして、ほかの5人のメンバーたちも、これからの話で焦点が当たっていきますので、注目して好きになってもらいたいと思います」と武藤氏。平川氏も撮影では、若いキャストを前にして「とにかく『一生懸命やりなさい』と言っています。必死に役に没入し、何でもいいから爪跡を残せ。そうすればキャラクターが生きてくる、と伝えました」と力を込める。

第2話に向けて、ますます注目が集まる「マルス」。ゼロたちが新しい時代の革命を起こすべく、新たな展開が期待されるが、武藤氏は「昔だとこういった話を書く時は、“デジタル”と“青春”というのは切り離したり、対比させたりしていたと思うんです。でも今はそれを切り離すことはできない。そういう状況の中で、どうやって人と人が向き合っていくのか。SNSという相手の顔が見えないものに接する中で、近くにいる存在がどれだけ貴重でありがたいものなのか、という普遍的なことを描いています」と、“動画配信”という題材を選んだ真意を明かす。

続けて「傷つきたくないと感じている今の若い人たちに『こういう友達付き合いもある』『こういう青春もいいな』と思ってもらえたら、この作品やった意味があるのかなと思っています。今の若者の“リアル”ではないことを、若い世代の役者さんたちがリアルに演じることで、別のリアリティーが生まれ、それをうらやましくも思ってくれたらという思いもあります。そしてその一方で、“クーデターサスペンス”と銘打っているものが、どんな意味を持っていくのか、第1話のラストで出てきた國見とマルスが関わっていくのか。話の規模がどんどん大きくなっていくので、そのスケールも見どころとなっていくのではないでしょうか。そして、第1話の最後で出てきた『一体誰が殺したのか』、こういったところの考察なども楽しんでいただけたらと思います」と、今後への期待感をあおった。

平川氏も「武藤さんの頭の中にしかない謎を、皆さんに“考察”していただきたい」と注目ポイントを明かしながら、「至るところに伏線や謎が散りばめられているので、追いつくのが大変(笑)。自分は武藤さんに教えてもらったので、演出として1話にもたくさん伏線を埋め込んではいますが、気付く人いるかなぁ…だぶん気付かないでしょうね(笑)。第1話のラストの『“最期”まで付き合ってもらうぞ』というゼロのセリフ、僕も『どんな最後になるんだろう』と僕も思っています。皆さんもそんなふうにいろんなことを感じ、考えながら見ていただけたらなと思います」と視聴者にメッセージを送った。

すると、武藤氏に向けて、平川氏が「それぞれのキャラクターの“過去”に何があったかという背景は、武藤さんから聞いているのですが、この先の“未来”に関しては、本当に武藤さんしか分からないので、怖いです!(笑)。ゼロと國見の対決にも、僕も想像していなかった過去が隠されていて…。第1話にも、そのヒントはしっかりと描かれています」と話すと、武藤氏も笑顔を浮かべていた。

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