【広島市植物公園】冬に咲く個性派ぞろいの花たち|地球派宣言

花や緑が少ない冬に、彩りを添える冬花。

これから見ごろを迎える花の中に、寒い冬にはなかなか見られない意外なものも見つけました。

訪れたのは、広島市植物公園。約1万品種、約20万本の植物が栽培されています。

広島市植物公園

園内には、ウメがたくさん植わっており、今回訪れた斜面だけでも約40種類あります。

1番早咲きのものがいくつか咲いており、2月から3月にかけて徐々に咲いていくそうです。

咲き始めたウメ

花の少ない冬に咲き始めたものが他にもありました。

黄色く色付いているのが、冬から春にかけて咲く「ソシンロウバイ」。

半透明のロウ細工のような黄色の花が特徴で、先端から順番に咲いていきます。

これから見ごろを迎え2月いっぱいまで、花を長く楽しめるそうです。

ソシンロウバイの花

黄色いリボン状の花と、今にも開こうとしているつぼみがあるのは「シナマンサク」。

咲き始めの今は、つぼみも一緒に楽しめます。

マンサクの中では1番大きな花を咲かせるので、公園や庭木によく使われているそう。

シナマンサクの花

園内を歩いていると、冬に咲くイメージのない花に出会いました。

その花とは、「アイスチューリップ」。

チューリップは、本来は春になる4月頃から咲き始めますが、広島市植物公園では今の時期でも楽しめます。

アイスチューリップ

実は、「アイスチューリップ」という特別な品種があるのではなく、人工的に早く咲かせているそう。

春に咲く花であるチューリップは、冬の寒さを感じたあとに花を咲かせます。

「アイスチューリップ」は、夏から秋にかけて冷蔵処理して寒さを感じさせることで、チューリップがひと足早く冬を感じ、その結果、もう春が来たんだと勘違いして今の時期に花を咲かせるそうです。

夏から秋に冷蔵処理する(イメージ)

冬を代表する花の中に、いろいろな形を楽しめるものがあります。

その冬の花を見ることができるのが展示温室での企画展。

2月4日(日)まで行われている「冬の鉢花展」では、パンジーとビオラの園芸品種が展示されています。

冬の鉢花展

いろいろな花の形や色のものがコレクションされていて、花びらがフリル状になっているパンジーや、花の形がウサギの耳に見えるラビット系ビオラなどを見ることができます。

花びらがフリル状になったパンジー

ラビット系と呼ばれるビオラ

ウサギの耳のように見える

冬に咲く花には、他の季節にはない特徴があるのだとか。

今回、案内していただいた広島市植物公園 企画広報係の久保晴盛さんによると、気温が高くなると植物も盛んに呼吸をするなどの活動をするので花の傷みがはやいが、冬は気温が低いのでその分花を長く楽しめるそうです。

広島市植物公園 久保晴盛さん

春が近づくにつれて、つぼみは花へ、可憐な姿で咲き始めます。

冬だからこそ楽しめる寒さの中で、あたたかな花を見つけてみてはいかがですか?

ソシンロウバイのつぼみと花

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2024年1月24日放送)

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