FIA F2新型車両を全チームがシェイクダウン。20名のドライバーが計3018kmを走破

 1月23日、スペインのカタロニア・サーキットで2024年シーズンよりFIA F2に導入される新型車両のシェイクダウンが行われた。全11チーム、そして2024年シーズンへの参戦がすでに決まっている21名のドライバーのうち、20名のドライバーが参加。信頼性の確認、チームによる運用・操作方法の学習に主軸を置かれた今回のシェイクダウンは午前と午後で計6時間の走行が行われた。

「F1マシンに可能な限り近づける」ことをコンセプトにイタリアのダラーラ社が手がけた同車はホイール・トゥ・ホイールのレースとなるよう幅の広くなったフロントウイングやリヤウイングなど、最新F1マシンのエアロデザインを反映したデザインとなった。なお、新車導入コストを抑えるべく、エンジンとギヤボックスをはじめ、一部のパーツは前型『F2・2018』から引き続き使用される。

 ダラーラによるシェイクダウンは2023年7月にタチアナ・カルデロンのドライブで実施された。その後もカルデロン、2022年FIA F2王者のフェリペ・ドルゴヴィッチらがテスト。2023年12月末までに各チームに1台がデリバリーされ、2台目に関しても1月より順次引渡しが進められている。そんななか1月23日にバルセロナで実施されたシェイクダウンには各チーム1台づつ、この新型マシンを持ち込んだ。

 計6時間のセッションではマシントラブルに伴う赤旗中断もなく、全チーム計649周、計3018kmを走破。なお、最多周回ドライバーは2024年にFIA F2デビューを果たすアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)の53周となった。

「今回のシェイクダウンの目的は、各チームが新しいマシンの操作方法を理解し、すべてのシステムがうまく連動していることを確認し、すべての挙動を理解することだった。今日の走りには満足している。各チームとも多くの走行距離を走りきることができた」とFIA F2テクニカルディレクターのピエール・アラン・ミショーはコメント。

「今朝、シグナルがグリーンになった際に全車がコースに出たことで、まず最初のマイルストーンには到達した。ピットから出てきたマシンたちの様子は感動的な瞬間だった。そして2つめのポジティブなステップは、すべてのマシンが問題なくピットに戻ってきたことだ。赤旗中断がなかったということは、各チームがこのニューマシンの扱い方を学んでいる期間であっても、全車が期待通りのパフォーマンスを発揮できたということだ」

「最初の公式テストセッションを前に、まだ調整しなければならないことがいくつかあるが、それは通常のことだ。11チームもあれば、11通りの作業方法があるが、これによって、このマシンについてさらに多くのことを学ぶことができる。(午前のセッションで見つけた課題については)午後のセッションに向けすでにいくつかは修正できた。それでも、シーズン開幕までにはまだ調整が必要だ。2024年シーズンの開幕戦の前に行われる、全22台によるバーレーンでの3日間のプレシーズンテストが我々の次のステップとなる!」

 FIA F2プレ・シーズンテストは2月11日~13日に、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われる。

2024年導入のFIA F2新型車両のシェイクダウンに臨んだオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)

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