琵琶湖の水位、急速に回復 「マイナス60センチ台に」

琵琶湖の各日午前6時段階の水位を表示する電光掲示板。マイナス60センチ台となるのは約50日ぶりだ(25日午後3時25分、大津市瀬田6丁目)

 低下が続いていた琵琶湖の水位が、ここ最近のまとまった雨や大雪の影響で急速に回復している。25日午前6時の水位はマイナス66センチ。これまでマイナス70センチ台が続いてきたが、約50日ぶりにマイナス60センチ台になった。

 琵琶湖の水位は、片山(長浜市)、彦根、大溝(高島市)、堅田(大津市)、三保ケ崎(同)の観測所5カ所の平均値。水位1センチ分は約68億リットルで、京セラドーム大阪約6個分にもなる。

 水位は10分ごとにリアルタイムで公開しているが、国土交通省琵琶湖河川事務所(大津市)は、午前6時の数値を「その日の琵琶湖の水位=公称値」として定めている。

 水位は昨年12月5日にマイナス69センチだったが、翌日にマイナス70センチとなった。それ以降の公称値はマイナス70センチ台が続いてきた。

 琵琶湖の水位低下に伴い、普段水中に隠れている坂本城跡(大津市)の石垣が露出したり、堅田漁港(同)では船の位置が岸壁より低くなって乗り降りしづらくなったりと多方面で影響が出ている。

 今月4日には、琵琶湖の水位回復が当面見込めないとして、滋賀県が18年ぶりに「県渇水対策本部」を設置した。

 18日午前6時にマイナス78センチに達したが、琵琶湖流域では先週後半から今週はじめにかけてまとまった雨が降り、24日には今季一番の寒波が到来して北部を中心に大雪に見舞われた。

 この結果、琵琶湖の水位も一気に回復。ここ1週間で12センチも上昇してマイナス66センチとなった。

 一方、この時期の過去30年の平均値であるマイナス23センチと比べると、依然として大きな開きがある。

 25日午前11時発表の彦根地方気象台の予報によると、向こう1週間は曇りや晴れの日が多い。2週間気温予報では、気温は「平年よりかなり高い」や「高い」日が続く見込みだ。

 琵琶湖河川事務所の担当者は「25日も雪が降り続いている場所があり、雪解けの水が川に流れ出すとさらに回復するかもしれないが、予断を許さない状況」としている。

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