損保ジャパンに改善命令、金融庁 親会社も、「客より自社優先」

SOMPOホールディングスが入るビル=東京都新宿区

 金融庁は25日、中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を巡り、損害保険ジャパンと親会社のSOMPOホールディングスに対し、保険業法に基づく業務改善命令を出した。不正を知りながら保険料収入を減らさないためにBMとの取引を維持するなど「顧客の利益よりも自社の利益を優先する企業文化」が原因だとして、経営責任の明確化とコンプライアンス(法令順守)の徹底を求めた。

 改善命令では、社長など上司の決定に異議を唱えなかったり、自社にとって都合が悪い情報を経営陣らに適切に報告しなかったりする企業体質も問題視。歴代社長を含む経営陣の下で、こうした企業文化が醸成されたという。両社には3月15日までに改善計画書を提出させる。

 SOMPOには「BMの問題を認識した後も、踏み込んだ実態把握をしていない」として、損保ジャパンに対する経営管理が十分に機能していないと指摘した。

 損保ジャパンは、あっせんした契約者の事故車両の損害査定を大幅に簡素化し、不正を助長する対応も取っていた。

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