【全日本】プロレス界を闊歩する“タッグ2冠王”斉藤ブラザーズが世界のベルトコレクター宣言「俺たちのリング上の姿を見ておけ」

全日本プロレスの斉藤ジュン&レイ(斉藤ブラザーズ)に新春特別インタビューを行った。

2023年の全日本プロレスのリング上のみならず、他団体であるGLEATでのG-INFINITY王座獲得、そして歴史と伝統のある世界タッグ王座獲得、その活躍は目覚ましくプロレス大賞新人賞を斉藤ブラザーズとして異例の受賞をした2人。

混迷する全日本プロレスの現状を斉藤ブラザーズはどう捉えているのか?

また闘魂スタイルを標榜する現三冠王者・中嶋勝彦、離脱者続出の現状、他団体で意識する存在や今年の目標を斉藤ブラザーズに直撃。

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

①2021年6月9日デビューから現在を振り返って

――プロレスTODAYとしては斉藤ブラザーズ初インタビューということで今日はよろしくお願いします。まずは日本を代表するタッグチームとして非常に呼び声も高くなってきましたが、デビューから今を振り返ってみて、今のポジションを築くまでに至った感想をお願いします。

ジュン「まだデビューして3年経ってないっていうのもあって、まだまだこれからなんだけど、プロレスラーになってからはもう自信しかないから、これからも斉藤ブラザーズっていうのをどんどん存在感を出してやっていきたいな」

レイ「正直、最初はやっぱりちょっと戸惑う部分とかあったかもしれないけども、でも俺もジュンと一緒で、やっぱり自信もあったから、経験を積んでいくうちにどんどん形になっていくんじゃねかなっていう気持ちはずっとあったから、最近それがちょっと、ちょっとずつ変わって違ってきた感じじゃないかな」

--お二人でデビューしたので兄弟の絆も含めて、リング上でより開放感があったんじゃないかなと思うのですが、その辺りはいかがですか。

レイ「あんまりお互いのことはそんなに意識したことは全くねえけどな、気づいたらもう居たような存在だから」

ジュン「これは前にも言ったんだけど、タッグっていうのはあまり長く続いてるようなタッグ(チーム)はあんまりイメージが浮かばない。その点、俺と弟の斉藤ブラザーズは生まれたときからずっと一緒だから、そういう意味でも他のチームよりも息もあってるし、やっぱそういうところが強みに出てるんじゃないか」

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②斉藤ブラザーズとして世界タッグ王座奪取

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――兄弟でいうとやっぱりドリー・ファンクJr.とテリー・ファンクのザ・ファンクスの兄弟タッグが思い起こされますけども、その先人たちの築いてきたベルトを今持ってますけども、その辺り感覚っていうのはいかがですか。

ジュン「ベルトを巻いてることに関しては素直に嬉しいな。それこそ今言ったようなレジェンドたちが巻いてたような歴史のあるベルトだからな」

レイ「どっちかって言ったら俺たちは今のプロレスっていうよりは昔のプロレスを見ることが多いからな」

ジュン「そうだな、それこそ昔の全日とかな」

――今はどの辺りの試合を見て勉強になるというか面白いなっていう感じでしょうか。

レイ「やっぱタッグで参考にしてるって言ったら、やっぱロード・ウォリアーズとかだな。あれはよく見てるな。暴力的でとにかく力強い。あれがかっこよくて、あればっかり見てるな」

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――未来日の当時は「まだ見ぬ強豪」として注目されていたロード・ウォリアーズの試合をいち早く放送したのが『世界のプロレス』という番組でした。その時もワクワクドキドキが止まらなかったチームでしたね。その後は世界のタッグタイトルを総なめにしました。

ジュン「あの2人はインパクトもでかいしな、見てて説得力しかねぇから俺たちもちょっとそういったところを目指してぇな」

➡次ページ(兄弟の違い、ゼンニチ新時代、三冠王者・中嶋勝彦、離脱者続出の現状)へ続く

③兄弟の違いとは?

――お二人は好きなものとかも似てるのですか?

レイ「好きなものは似てるな、基本的に好きな食べ物とか。兄の方が甘い物好きってのはあるけど、基本的に好きな食べ物とか趣味っていうか、大体一緒じゃないかな」

ジュン「趣味と言ゃなんだろう?サッパリしたりするのも好きだな。」

――お二人とも?

ジュン「ただ女性のタイプだけは違うな(笑)」

レイ「そうだな(笑)」

――ちなみにジュン選手はどんなタイプがお好きですか?

ジュン「女性のタイプ。これは言ったことないんだけど、俺あんまりちょっと気の強い人が苦手で、もちろん気が強くても優しい人はいると思うけれども、まぁ、ちょっと温和というかあまり怒らない人がいいな。その点、弟は気が強い人が大好きで、怒られるのが好きみたいで(笑)」

レイ「そんなこたぁねぇよ(笑)」

――ではレイ選手はどんなタイプがお好きですか?

レイ「いやあ、俺はだから反対にもっと我が強いっていうか、リードしてくれるようなタイプがいいかもしんない」

――なるほど。それぞれの違いが見えました(笑)

④ゼンニチ新時代について

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――続いてゼンニチ新時代というところで、全日本プロレスが新しい時代を今踏み出そうとしているこの現状に関してどういうふうに意識されてますか。

レイ「新時代て言っていろいろあるけど、正直俺たちはそんなにジュンもそうだと思うけどそこまで意識したことはねぇな」

ジュン「新時代ていうか、若い世代が前より出てきてるから、新時代とかいろいろ言ってんのかもしんないけど、でもそこをそこまで意識したことはないな」

レイ「斉藤ブラザーズが求めている、いこうとしている形にはまだまだできてないから、そこを目指してまだドンドンこれからもやっていくつもりだけど、ただ新時代というよりはもうとにかく斉藤ブラザーズがちょっと思い描いている形になっていける様に突き進んでいくっていうか、そういう感じかな」

――確かにお二人は新時代というよりも個々の強さの方が際立ってますね。

⑤“闘魂スタイル”を打ち出している現三冠王者・中嶋勝彦について

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――続いて“闘魂スタイル”を打ち出している現3冠王者の中嶋勝彦選手について伺います。先日も世界タッグ戦で勝利したばかりですが、中嶋勝彦選手に対する意識はどんな感じでしょうか?

レイ「正直こうやって全日にやってきて、すぐ3冠王者になって、やっぱりあんまりいい気はしねぇな。正直、中嶋の言ってるその“闘魂スタイル”っていうのがなんだろうが、そんなの俺の知ったこっちゃねんだろ。ただ、ここにきて好き勝手にやってるというのはちょっと俺もジュンもだいぶイラついてた。それは正直、何が伝えようとしているのか、やりたいのかさっぱりわからない」

ジュン「俺もわからない」

レイ「何を考えてるかわからないっていうのが大きくて、もちろんすごくいい選手だよ。もちろん力も強いし、早くて動けて、経験も十分という素晴らしい選手だけど、いまいち何がしたいっていうのはよく伝わってこない」

--お二人にとっては何か違和感は感じるような存在なんですね。

レイ「ちょっとモヤモヤしたものは感じるな。“闘魂スタイル”だとか俺はそんなの知ったこっちゃねけど、ただ全日に来て好き勝手アイツがやってたのは、ずっと気に食わなかったから。そのままの勢いで世界タッグもこの前獲ろうとしたから、全日本プロレス代表とかそんなん言うつもりはねけど、しっかりな俺はスリー取ったからな。しっかりぶっ倒して、アイツ止めたってのはスカッとしたな」

⑥離脱者続出について思っていること

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――そして全日本プロレスの現状、離脱者が増えていることについてはどのように感じていますか?

ジュン「いろんな人から会社に対していろんなこと言われてるけど元々、全日本プロレスはもうでかくて、大型の選手が力強いプロレスをしていくっていうのが売りというか、それが王道のあれだと思ってるから、やっぱ力強いプロレスでお客さんを見せていけば、そこさえ揺るがなかったら、もう会社は大丈夫なんじゃないかと思ってるから、そこをきっちり見せていきたいと思ってる」

――なるほど。レイ選手はいかがですか?

レイ「正直俺もそうだな、ジュンと同じ気持ちだけれども、正直何が周りで起きてるかさっぱりわかんないから。いろいろなあるんだろうけど、ジュンが言った通り、俺にできることを一生懸命やっていくだけだな」

ジュン「俺たち斉藤ブラザーズがしっかりやっていけば会社で何が起こっても問題もないというか、俺たちのリング上の姿を見ておけば、安心してこれからも見続けられるだろうから、きっちりやることをやっていくということだろう」

➡次ページ(他団体で意識する存在や対戦したい選手、2024年の目標やプラン)へ続く

⑦他団体で意識する存在や対戦したい選手など

――続いて他団体で意識する存在とか対戦してみたいなとかっていう方っていらっしゃいますか?

レイ「今度9日にやるだろう、外国人2人組」

――2月9日開催のプロレス中継70年史「THE日テレプロレス」大会ですね。プロレスリング・ノアのサクソン・ハックスリーとティモシー・サッチャーとの対戦が決定しています。

レイ「もちろんそいつら以外にもいる、いるけども、今はその2人だな。アイツらも元タッグチャンピオンで対抗戦で全日を代表してとか言うつもりはないけども、やりがいはあるな。お前なんか言ってたよな、弟が2人いるみたいだって」

ジュン「だって同じ見た目してんだろ?」

レイ「顔が似てるというよりは同じ髪型と髭だな」

――言われてみるとサクソン・ハックスリー選手とは同じ雰囲気ですね。

レイ「なかなかそういうタイプのやつ日本だといねぇから、それも2人が対戦するのも面白いんじゃねぇかな」

ジュン「俺は少し意識してるというか、気になるっていうタッグチームって言ったら新日本の毘沙門(後藤洋央紀&YOSHI-HASHI)だな。去年、その新人賞を取ったわけだけど、最優秀タッグを持って行かれて、なんかちょっといちゃもんつけてきたから、そっから気になっているチームだな」

――毘沙門も新日本プロレスのタッグリーグを3連覇してる新日本を代表するようなタッグチームになりますので、そういう部分での夢の対決みたいなのは、やっぱ楽しみではありますね。

⑧2024年の目標やプラン

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

――斉藤ブラザーズの2024年の目標やプランっていうのは、今何か考えてらっしゃることってありますでしょうか?

レイ「今のところ持ってるベルトは全部防衛してるし、これからも世界タッグでもG-INFINITYでもどんどん挑戦してくるやつはたくさんいるだろうから、それをきっちりと全部防衛することだな。あとは去年取れなかった最強タッグリーグだったり、シングルで出たDDTのD王GP、チャンピオンカーニバルも決勝戦まで結局行けなかったけど、今年はシングルとしてもどんどんやってきてぇなって。それと今年こそは三冠前線に名乗りをあげる」

ジュン「それで言ったら去年はチャンピオンカーニバル、俺の方があまり良い結果を出せてないから、タッグだけじゃなくシングルでもいろいろ結果を出して出していきたいな」

レイ「あとはもうベルトもどんどん増やしてもいいしな」

――ベルトコレクターになる?

ジュン「世界のベルトを全部集めてくりゃあ、あればあるほどいいんじゃないか」

――そうすると斉藤ブラザーズの価値はもっと上がりますね。

レイ「タッグのベルトは他の団体にもいろいろ気になってるのがあるから、いろんなところでタッグのベルトを狙っていきたいな」

――最後に全日本プロレスのファンの皆さんに向けてのメッセージをお願いします。

ジュン「斉藤ブラザーズはデビューしてまだ3年経ってないっていうか、今ちょっと結果を出しているけれも、俺達が思い描くところにはまだまだ行ってないから、これからもっともっと斉藤ブラザーズの強さをどんどん見せてって、誰が見てももうタッグと言えば斉藤ブラザーズていうのをどんどん見せていくから、これからも楽しみにしてくれ、DOOM!」

レイ「そうだな今ジュンが言った通り、俺らプロレスラーに年齢は関係ないって思ってるし、もちろんまだまだ俺たちに足りないものはたくさんあるだろうが、これから経験していったら今がピークじゃなくて、どんどん発達していく。しかも加速をしていくしかねぇと思うから。これからもっと面白いことになるんじゃないかな。ぜひ楽しみにしててくれ!」

――本日はありがとうございました。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

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「新春ジャイアントシリーズ2024」~めだかやドットコムpresents~
日時:1月27日(土)15:00開場 / 16:00開始
会場:東京・エスフォルタアリーナ八王子 メインアリーナ

《全対戦カード》

▼第1試合 石川修司&ブラックめんそーれ全日本プロレス所属ラストマッチ 15分1本勝負
石川修司 ブラックめんそーれ vs 綾部蓮 井上凌

▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
諏訪魔 鈴木秀樹 佐藤光留 vs 鈴木みのる 土井成樹 大森北斗

▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗 ライジングHAYATO vs 黒潮TOKYOジャパン 立花誠吾

▼第4試合 史上最高齢三途の川電流爆破デスマッチ電流爆破バット×3本 30分1本勝負
大仁田厚 グレート小鹿 雷神矢口 vs ミスター・ポーゴ 怨霊 櫻井匠

▼第5試合 AJPW vs DDTスペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
青柳優馬 青柳亮生 vs KONOSUKE TAKESHITA 岡谷英樹

▼第6試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第67代王者】田村男児 vs 岩本煌史【挑戦者】
※第67代王者・田村男児、2度目の防衛戦

▼第7試合 世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第97代王者組】斉藤ジュン 斉藤レイ vs 本田竜輝 安齊勇馬【挑戦者組】
※第97代王者組・斉藤ジュン&斉藤レイ、4度目の防衛戦

▼第8試合 メインイベント 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【第71代王者】中嶋勝彦 vs 芦野祥太郎【挑戦者】
※第71代王者・中嶋勝彦、3度目の防衛戦

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【写真】スイーツを食べて満足げな斉藤ジュン

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