アニメ『俺だけレベルアップな件』ついにタイトル回収!? 予想外の“成長方法”に、視聴者「逆にイイ!」

1月20日(土)よる12時よりアニメ『俺だけレベルアップな件』第3話が放送された(TOKYO MXほか)。絶体絶命の瞬間に“もう一度チャンスがあれば”と願う主人公は、気づくとなぜか病室のベッドに……。そして現れる、“VRゲーム”のような謎の【ウィンドウ】。そこには“レベルアップの条件”が書かれていて……。ついに作品タイトルを回収し始めた本作だが、SNS上では「すぐに最強になると思ってた!」という視聴者も多く、予想外の展開が話題に。「努力で強くなっていくのは好感が持てる」「いきなり力をもらうんじゃなくて、レベルアップの手段を得るってのが面白い」など、さらなる期待を膨らませていた。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

■俺だけ見える

そこは特殊能力を持つ人間【ハンター】たちが異次元の【ダンジョン】から得られる報酬で生計を立てている世界……。低級レベルのダンジョンからつながっていた“謎の神殿”へと進んだ13人のハンターたちは、巨大な“石像の怪物たち”によって壊滅。殿(しんがり)を務めることとなった“人類最弱兵器”の水篠旬(みずしの しゅん)は、頭上から振り下ろされる巨大な剣にまさに押し潰されるその瞬間、切に願った。もう一度……、もう一度チャンスがあれば……。

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「…っっっ!はぁあ、はぁ、はっ……?」。溺れる寸前で呼吸を取り戻したかのように、旬(しゅん)は“目を覚ました”。窓から陽光が差し込むその場所はどこかの病室のようだ。ベッドの上、体を覆うシーツをめくる。不思議なことに、“石像の怪物たち”に切り落とされたはずの手足も貫かれた胸も、その形跡すらなかった。「夢、だったのか……?」。トントントン。不意に鳴る、“ノック”の音。入ってきた黒スーツの男たちは、【ハンター協会 監視課】を名乗った。

病室で目覚めた旬 安心する一方、ケガひとつない現状に疑念は拭えない

「課長の犬飼です」。いかにも仕事ができそうなオールバックのつり目の男が名乗った。もう1人、ボサボサ頭の部下は「…道門(みちかど)です」とやや無愛想だ。2人によれば、13人いたハンターのうち旬を含む6人が助かった。しかし精神的ショックが大きかったヒーラーの観月は治療中で、リーダーの馬渕(まぶち)も左肩から先を失ったことで引退の可能性が……。そして、旬は3日間、意識を失っていたという。体はなぜか“無事”だったが、ダンジョンでの出来事は現実だったのだ。

「これほどの惨事は滅多に起きません。それを、どういうワケか……」。淡々と事実を告げていた犬飼が、チラリと旬を見る。実は、犬飼がダンジョンの生存者から報告を受け現場に駆けつけたとき、そこには旬がひとり倒れていただけ。“神殿”や“石像”などというものは痕跡すら残っていなかったという。もしダンジョンでの出来事が現実で、かつ“石像”たちが姿を消す理由があるとすれば……。あくまで予想だがと前置きをして、犬飼はいった。「水篠ハンター。あなた、覚醒後の覚醒をしたんじゃありませんか?」

ハンター協会 監視課課長の犬飼晃

基本的にハンターの能力値は覚醒時に決まり、一生変わることはない。最低ランク『E級』として覚醒した旬も、本来はずっと『E級』のままだ。ところがまれに【再覚醒】するハンターがおり、自身の限界を超えて『A級』や『S級』になることもあるという。「もしかして、俺も!」。旬は期待に目を輝かせ、道門が用意した簡易の【魔力測定器】に手をかざす。『ピピッ』。測定結果の数値は、『10』。一般的なE級ハンターでも数値は『70』を超えるはず……。それはつまり、“そういうこと”だった。「どうやら、かえって失礼なことをしてしまったようです」。言い残して、犬飼たちはそそくさと病院を後にした。

「なんだよ……期待したじゃん」。ボフッと、ベッドに寝転がる。再覚醒をしていないのなら、自分は結局どうやって“無事”に帰還したのか。あの“石像たち”はどこへ消えたのか……。考えることは山のようにあったが、彼の興味はすでに“別のもの”に注がれていた。「あの人たちは、これが気にならなかったのかな?」。旬の眼前に浮かぶ【メッセージウィンドウ】。そこには、こう表示されていた。

旬のお見舞いに来た妹・葵 彼女にも【ウィンドウ】は見えていなかった

■まるでゲームみたいだ

「見て、また走ってるわよ」「もう、意識が戻ってから毎日これだもの……」。病院の廊下、看護師たちのうわさ話。視線の先には、トレーニングウェアに身を包んだ旬。荒々しい呼吸を整えながらベンチに座り込む。旬はスッと顔を上げたが、それは空を見ているわけではなかった。“意識が戻ってから今日で4日目。いくつか分かったことがある”

まず、眼前に表示される【ウィンドウ】は『“プレイヤー”の成長をサポートするシステム』のようだ。音声に反応して動き、『メッセージボックス』や『現在のステータス』を確認できる。そして肝心の、『デイリークエスト“強者を目指して”』。腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回、ランニング10km。これらの指示が、意識を取り戻してから毎日表示されている。こなすのは大変だが、達成すると3つの“報酬”が得られた。

1つ目は『状態の回復』。これは体全身を黄色いオーラのようなものが包み込み、一瞬で疲れが吹き飛ぶ優れもの。2つ目は『能力値ポイント』。“ステータス画面”に表示される【VIT(体力)、 AGI(素早さ)、 INT(知力)】などの5つの項目に振り分けると、実際の旬の能力にも反映されていく。このときは【STR(筋力)】に全振りした。ちなみに3つ目の報酬は『ランダムボックス』。これは手のひらサイズの赤い箱から“何か”が出てくるが、たいていペンや絆創膏(ばんそうこう)など、くだらないものが多かった。「まるでゲームみたいだ」。笑って、思わず口に出てしまう。

だが、“ペナルティー”の存在だけは気をつけなくてはいけなかった。もしもデイリークエストで指示された達成条件を日付が変わるまでにこなせなかった場合は、“恐ろしい現象”が起こる。まだ【ウィンドウ】を使いこなせていなかった“初日”には、いきなり広大な砂漠の異空間に放り出され、巨大ムカデと4時間の鬼ごっこをする羽目になってしまった……。

ペナルティーも“クエスト”として発生する ムカデとの鬼ごっこは『Survival(サバイバル)』と題されていた

病室に戻った旬の手元に、さっそく『ランダムボックス』が現れる。期待せずに開いた中身は、どこか古めかしいデザインの“鍵”だった。同時に【メッセージウィンドウ】が開く。そこには“使用場所”と共に『インスタンスダンジョンへ入るための鍵』と書かれていた。「なんだそれ? これまでの流れからして強くなるためのイベントだろうけど……っ!」。刹那、“歯茎”を剥き出しにして笑う石像の顔がフラッシュバックする。また、“ダンジョン”へ挑むのか……?

――「母さん! 母さん起きてよ……!」。今から4年前、旬の母親が倒れた。医者の診断は『溺水症(できすいしょう)』。別名で『最後の睡眠』ともいわれるその病は、この世界に異次元へつながる【ゲート】が出現してから見られるようになり、数万人に1人の確率で発症するという。病院で“眠り続ける”母のため、旬は必死に働いて治療費を稼ぐ。そんなある日、彼は突然“覚醒”したのだーー

E級ハンターかつ“人類最弱兵器”とやゆされる旬は、どんな低級ダンジョンでもお荷物そのものだった。しかし目覚めてから1週間、『デイリークエスト』で得られる“3ポイント”を全て『STR(筋力)』へ振ってきた。『STR:31』。旬は今、りんごを片手で握りつぶせるほどの力を身につけていた。

“神殿”で遭遇した巨大な石像 人智(じんち)を超える圧倒的な力と恐怖に、旬たち13人のハンターは敗北した(画像は第2話より引用)

【インスタンスダンジョンの鍵】を手に、旬は“使用場所”である地下鉄の入り口に立つ。装備は整え、やるべきこともやった……。意を決すると、“鍵穴”が宙に現れた。ガチャリと鍵を回す。青白い稲光のような瞬きともに【ゲート】に似た壁が出現。代わりに、“鍵”が消えていた。1歩、中へ踏み入れると、また【ウィンドウ】が。見るに、このダンジョンの“ボス”を倒すか【帰還石(きかんせき)】を手に入れない限り出られないという。「パーティーもなしに俺1人でボスを……? けど、やるしかないんだ!」。覚悟を決め、旬は“地下鉄”の階段を下りていく。

まるでホラーゲームのワンシーンだ。薄暗い通路で、自分の足音だけが響いている。「なんか弱気になってきた……」。ついと出た独り言。すると、募る不安に追い打ちをかけるように天井が音を立てて崩れた。土煙の向こうには、ニヤリとした緑色の肌をした【ゴブリン】。しかも、3体。急ぎ腰元のナイフを抜く。前回のダンジョンでは1体倒すのが精一杯だったが、果たして今度は……!? 矢継ぎ早に仕掛けてくるゴブリンたちの攻撃をギリギリでかわし、受け止め、弾き返す。そして、「ぅうあああああああ!!!」。敵の剣が地面に突き刺さった“機”を逃さず、旬はナイフを突き立てる。皮鎧(よろい)の上から胸を貫かれたゴブリンは、目を見開いたまま動かなくなった。そのまま、残る2体の攻撃もすんでのところでさばき、突き刺して、切り裂く。旬は天井を仰ぎ見て実感する。「……俺、強くなってる!」

だがそこへ、今度はオオカミのモンスター『ライカン』が壁を突き破って現れた。眼光は赤く、下顎には鋼鉄の牙。“初撃”を受け流したナイフは粉々にされてしまった。先ほどのゴブリンよりはるかに強い……。明らかな強敵を前に旬の足が震え出す。“石像”の恐怖が、知らぬ間にトラウマとなっていた。“二撃目”は頬をかすった。ここにはヒーラーもいない。もし致命的な傷を負ったら、終わりだ……。

インスタンスダンジョンへの挑戦を決意した旬だったが、早くも窮地に…

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画像提供:©Solo Leveling Animation Partners

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