「今年こそ日本一になることを期待したい」大のカープファン 井上広隆日本銀行広島支店長に聞く 今年の広島経済は? 新サッカースタジアムは? 広島駅は?

日本銀行は、私たちの生活に密接な物価の安定を図ることなどを目的に運営されています。そしてことしは新しい日本銀行券=お札が発行されます。そんなことしの広島経済はどうなるのか…日本銀行広島支店で井上支店長に聞いてきました。

日本銀行広島支店は、広島県庁や広島市民病院のすぐそばにあります。以前は原爆の爆風に耐えた被爆建物のある袋町にありましたが、32年前からこの場所にあります。

小林康秀キャスター「玄関ロビーに入ってみますと、普通の銀行のような窓口があって待合スペースがある、何気ない雰囲気ではあるのですが、ここが日本銀行広島支店です」

特別に許可を得てカメラが銀行内に入りました。重厚な扉の向こうが支店長室です。

日本銀行広島支店の井上広隆支店長はおととしの3月に就任しました。コロナ禍から徐々に回復する広島経済を見続けてきました。

小林康秀キャスター「あちらに赤いユニフォームとジャンパーが掛かっていますが」
井上広隆日本銀行広島支店長「私支店の中をジャンパーを着て歩き回っています。遠くで赤いモノを見れば私だと思っていただければ」

1980年代からカープの大ファンの井上支店長。84年の阪急を制して日本一になった試合も見に行きました。

井上広隆支店長「先発ピッチャー山根だったんですが、9回まで2対2で、9回裏2アウトから山本浩二選手の2ベースで3対2と勝ち越し、その裏大野がきっちりと押さえて広島が勝ったという試合です。日本一になる機会がその後ないのは、極めて残念ですし、今年こそ日本一になるのを大変期待しています」

その試合で6番ファーストだった長内孝さんからもらったサインボールを大事にしています。

井上広隆支店長「成せばなるという長内選手の座右の銘が書いてあります 。これを見ながら毎日仕事をしています」

そんな井上支店長が今年大きな期待感をもって見ているのが、サッカースタジアムの開業です。

井上広隆支店長「Jリーグの試合が終わった後に、観客の方々が紫のユニフォームを着て街に繰り出していくということがあれば、本当に賑わいにつながっていくということになる。またサッカースタジアムのみならず、その周り「Hiropa(ヒロパ)」とか広島城三の丸広場の整備も併せて行われています。これが一体となって街の大きなマグネット『磁力』になることを期待しています」

日本銀行の大きな役割は3つあります。一つ目が金融政策を行うための経済調査です。支店長をはじめ支店では、経営者に実情を聞いたり、各地の街の雰囲気を肌で感じているそうです。それを元に経済報告や景気の先行きを示す「短観」を発表しています。2つめが銀行や政府との資金のやりとり。3つめがお札を発行することです。

日銀広島支店では、身近に感じてもらおうと、広報ルームを昨年秋にリニューアル。5人以上から予約制の見学ツアーも再開しました。1億円の重さを体感することもできます。1億円は10キロあります。

小林康秀キャスター「欲張りですね。2億…。やっぱり人の手で持ち運ぶもんじゃないですね」

そんな中私が気になっていたのが。

小林康秀キャスター「新札ですね、これから出る」
井上広隆支店長「こちらが今年の7月3日から発行が開始されます、新しいデザインのお札になっております」

肖像が渋沢栄一の新1万円札・津田梅子の5千札・北里柴三郎の千円札です。大きさは今のお札と同じですが、新しい偽造防止の仕組みが採用されています。

井上広隆支店長「代表的なのが、渋沢栄一の顔を左右に傾けると、あたか も回転しているように見える3Dのホログラムになっています。世界で初めて紙幣に搭載される技術と聞いております」

井上広隆支店長「以外と渋く重要なのが、今回バンクオブジャパンとジャパンと表記されているのですね」
小林康秀キャスター「以前はニッポンギンコウとアルファベットでした」
井上広隆支店長「それは今回のお札でも続くんですね。ジャパンと英語で書いておりますので、このお札が日本で流通しているというのが世界中の方からわかりやすくなるというこという意味においては新しい工夫が凝らされていると考える」

小林康秀キャスター「7月3日以降は今あるお札はどうなりますか?」
井上広隆支店長「7月3日以降今あるお札が使えなくなるといったようなことは決してありませんので、安心して使い続けていただければと思います」

井上支店長は去年はコロナ禍の収束で人の流れが戻り、製造業も半導体が手に入りやすくなるなどして広島経済全体としてはいい流れができた見ています。

井上広隆支店長「今年につきましても、基本的には良い流れが続いていくというふうに考えております。はい。すなわちこのコロナの影響がさらに小さくなっていく中で、旅行や観光、宿泊や飲食については一段と盛り上がっていくことが期待できます。またG7サミットの効果もありですね海外からのお客様も一段と増えてくることになるのではないかと期待しております」

2024年井上支店長が注目する県内の場所はどこでしょうか?

井上広隆支店長「今年は島と山に注目しております広島県の観光って非常に新幹線の便が良いこともありまして、京阪神あるいは福岡からの日帰りのお客様が多いということがあるんですね。そうした意味ではより長い時間滞在してもらえるような仕掛け作りが大切なんだと思っています。(山や島で)より大きな経済効果をもたらす取り組みに大変期待しております」

そして来年に向けては広島駅も注目しています。

井上広隆支店長「単に店だけではなくって、エリア全体として面として人々がいろんなところを回遊しながら街を盛り上げるということになると思います。一歩一歩そちらに向かって進んでいるということを考えますと、もう来年が今から待ち遠しいというふうに思っています」

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