栃木・部屋小移転、市が方針撤回へ 4校統合し新校舎建設、住民の検討会議が要望

藤岡地域4小学校の早期統合を求めることを決めた検討会議

 栃木県栃木市の部屋小を旧藤岡第二中へ移転させる市の方針に関して、住民らが部屋小の今後の在り方を話し合う検討会議の第3回会合が24日夜、部屋地区公民館で開かれた。部屋小の移転はせず、できるだけ早く藤岡地域の全4小学校を1校に新設校として統合し、新校舎を建設するよう市に要望することを決めた。検討会議は今回で終了し、市側は会議結果を尊重して、移転方針を撤回した上で、統合に向けた調整を始める。

 この日は前回会合で出た他校との統合の方向性を詰めて議論した。市教委は2040年度までに藤岡地域の4校を2校に統合する構想だが、児童数が想定以上に減少する最新の推計を受け、教育環境の維持のため、出席者の多くが早期の1校への統合を求めた。

 地区に小学校がなくなることへの懸念や、早期の統合実現への疑問も出た一方、統合までは部屋小の使用継続を求めることで一致。地区全体を対象とした報告会を開催し、結果を説明することも決めた。旧藤岡第二中の利活用方法については、避難所機能の維持などを求める意見が出た。

 市教委は「他の各小学校にも部屋地区の意向や小中学校適正配置の理解をいただき、できるだけ早く4校のPTA役員等で話し合う機会をつくり、統合を進めていきたい」と応じた。年度内に全体報告会を開き、出席者の意見を聴いた上で方針を正式決定する。

 移転方針の白紙撤回を求めてきた保護者の一人の毛塚寛人(けづかひろと)さん(52)は「最初からこうして地元の意見をよく聞いてくれればよかったが、地域で納得いく議論はできたので後はうまく進めてほしい」と話した。

 検討会議は、市の移転方針に対する地元の反発を受けて市が昨年10月から開催。自治会やPTA、関係団体の代表者ら14人が部屋小の在り方を議論していた。

部屋小

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