F1 CEOも抵抗感を示した『ビザ・キャッシュアップRB』というチーム名。通称は『V-CARB』か

 スクーデリア・アルファタウリの新名称『ビザ・キャッシュアップRB(Visa Cash App RB)』は、ファンやF1関係者の多くには非常に不評であり、レーシングチームとして過去最悪の名前と言う者すらいる。

 2024年に向けてレッドブルのBチームが名称を変更しなければならなかったのは、レッドブル社が所有するファッションブランド、アルファタウリが消滅するため、F1チームによって宣伝する必要がなくなったからだといわれる。

2023年F1第21戦サンパウロGP 角田裕毅(アルファタウリ)

 そういう事情であれば、名称変更を行うのは仕方がないことではあるが、ある情報筋によれば、F1商業権所有者も『ビザ・キャッシュアップRB』という新しい名称を最初は歓迎せず、F1 CEOステファノ・ドメニカリは、このように複雑な名称がF1にとってプラスにはならないとの考えを示していたという。

 新名称が発表された後、ファンからは、単純にスクーデリア・トロロッソの名称に戻してほしかったという声も上がっているが、F1で活動するには安定した資金を確保する必要があり、ファエンツァのチームにとっては、ビザおよびキャッシュアップと商業的な契約を結んだことは非常に重要なことだった。

『ビザ・キャッシュアップRB』チームロゴ

 いくら不評であっても『ビザ・キャッシュアップRB』という名称が変更されることはないと思われるなか、このチーム名をどのように略して呼ぶかという問題も浮上している。レース中継において解説者が「レッドブルのドライバー」「フェラーリのドライバー」と言うのは、分かりやすいし早口でも言いやすい。しかし、いちいち「ビザ・キャッシュアップRBのドライバー」と言うのは難しく、何か略称が必要だ。

 チーム内部の人々も、『ビザ・キャッシュアップRB』の名称を常にフルで使用するのは困難であると認識しており、ある関係者によると、ファクトリーでは、『Visa Cash App RB』の頭文字から『V-CARB』というニックネームが使われているという。だが一般的に『V-CARB』と呼ばれるようになれば、ビザとキャッシュアップの名称が使用されず、高額の資金を投入するスポンサーにとっては、あまり歓迎すべき状況とはいえないだろう。

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