希望が丘高の同級生3人で強豪ペアを次々撃破 ランクまであと一歩で「素直に楽しかった」杉本和也/阿部悠人ペア<全日本卓球2024>

<天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月22~28日 場所:東京体育館(東京)>

25日、2024年全日本卓球選手権大会の4日目を迎え、男子ダブルス2回戦からが行われた。

希望が丘高校時代の同級生で福岡県予選を通過した杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)ペアが試合に臨んだ。ベンチには、同じく希望が丘高の同期で4年生の近藤亮汰(京都産業大)を関西から招集しての同級生3人での戦いとなった。

写真:希望が丘高の同級生3人が集結/撮影:ラリーズ編集部

杉本/阿部ペアは、2回戦では愛工大名電高ペア、3回戦では実業団のリコーのエースダブルス・郡山北斗/小野寺翔平(リコー)、4回戦では全日本社会人優勝ペアの渡辺裕介/松山祐季(協和キリン)と強豪ペアを次々と撃破し、ランク決定戦となる5回戦へと勝ち上がった。

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

5回戦では、西康洋/川上尚也(日野キングフィッシャーズ)と対戦。いきなり2ゲームを奪われ後がなくなるも、そこから杉本/阿部の思い切り良い攻撃が光り、2ゲームを取り返す。2-2の7-7まで競り合うも、最後は突き放されゲームカウント2-3で惜しくも敗れた。

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

ランク一歩手前で敗れた杉本/阿部ペアと、ベンチコーチの近藤に学生最後の全日本を振り返ってもらった。

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)勝ち上がり

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

1回戦

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学) 3-0 野中大地/佐藤遼太(専大北上高)
11-5/11-5/11-9

2回戦

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学) 3-1 山岸馨/杉浦涼雅(愛工大名電高)
9-11/11-6/11-9/11-6

3回戦

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学) 3-1 郡山北斗/小野寺翔平(リコー)
11-13/11-4/11-6/13-11

4回戦

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学) 3-1 渡辺裕介/松山祐季(協和キリン)
11-9/11-7/4-11/12-10

5回戦

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学) 2-3 西康洋/川上尚也(日野キングフィッシャーズ)
10-12/6-11/11-5/11-8/8-11

杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)コメント

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

ペア結成のきっかけは?

阿部:自分らが中1のときからずっと組んできて、4年生で最後ってのもあって組みました。コロナでずっとダブルスがなかったんですけど、大学1年から全日本のダブルスはここで組んでたので、ずっと組んでいた気持ちでいました。

杉本は一般就職するので、これが最後の年だというので出られてよかったです。

強いペアばかりと当たっての勝ち上がりでしたが

阿部:杉本の最後の試合というのは意識はしてなかったんですけど、過去一良かったコンビネーションでした(笑)

杉本:自分は阿部に頼るだけなんで、入れてただけなんですけど逆にそれがよかったかなと思います。

今までは自分も攻めてリスクを負ってたんですけど、今回はしっかり入れて任せようと思ってました。

でも最後の最後で3本フォアドライブをミスして、ちょっとそれが後悔が残ります…。

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

やっぱり力が入りましたか?

杉本:力が入りました…。

阿部:最終ゲームは3-1でリードしてたんですけど、タイムアウト取られてから3-5になって、そこから5-7まで2点リードされてて、6-7でこっちのスーパープレーが入っちゃって、そこでちょっと意識しちゃいましたね。

近藤:ランクが(笑)

阿部:「これ勝ったらランクだぞ!?」と意識しちゃって、力が入ったという感じですね(笑)。

杉本:ストップを待ってて、「出た!」と思った瞬間に力がめっちゃ入ってミスしちゃいました。

ベンチコーチとして勝ち上がりを見ててどうでしたか

写真:アドバイスも光り勝ち上がった/撮影:ラリーズ編集部

近藤:自分がベンチでアドバイス喋る前に、帰りながら2人で勝手に喋ってました(笑)。

俺、何言おうかなってずっと考えてるんですけど、2人で喋ってるからまあ大丈夫かなと思ってたらここまで勝ち上がってきてて。

良い舞台でベンチ入れてよかったなと思ってます。

自分は全日本出たことなかったので、会場来ること自体初めてで。初めて来てベンチでラン決までいけました(笑)。

近藤選手のベンチはどうでしたか

阿部:リラックスしてできました。

近藤:まじリラックスしてたよね(笑)。

阿部:監督とかコーチの圧がないので(笑)。

杉本:いつもだったらこれやった方がいいとかいろいろ言われて緊張もしちゃうんで(笑)

阿部:素直に楽しかったです!

最後のペアでランク目前でしたね

阿部:ちょっと悔しいですよね。

近藤:ドライブ3本…。

杉本:7-7からのドライブ3本がちょっと…。

阿部:逆にこれまでができすぎたのかもしれない。これがいつも通り。最後の3本(笑)

杉本&近藤:(笑)

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

ペアとしては一区切り。どういうペアでしたか

阿部:自分は杉本以外はほとんど右左でしか組んだことなくて、一番右右で組みやすかったのは杉本。

大学で右左としか組んでないんで、いざ全日本予選前で練習して、全日本予選で試合するとしっくりする感覚があって。

やりやすかったです。

良かったです。

最後にこの成績残せて、すぐに負けなくてよかったです。楽しかったです。

杉本:自分は高3で一回阿部と組んで全日本ベスト16に入ることができて、阿部がずっと組んでくれて最後に16入れたのでよかったです。

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

同期の最後の雄姿は

近藤:いや~よく頑張りました!本当に強いなと再確認しました。

自分は今までよりも大学生活で卓球に熱を入れなくなっちゃって、大きい大会もあんまり行くことなかったんですけど、久々に間近でみて、こいつら上手かったんだなと再確認しました。

最後に今後の進路と目標も

杉本:高く。高く行こ。

近藤:高くね。

阿部:目標は…。実業団に入らせてもらうので、まず日本リーグで会社に貢献することが目標です。個人的な目標としては、上位を目指していきたいので優勝できればと思っております。

杉本:自分は一般就職で、仕事は1年目からきついと思うので、卓球は一区切りだと考えています。

できたらしようかな、くらいなんですけど、もしできたら合間見つけて頑張って、またこの舞台に帰って来れるように頑張ります。

近藤:自分は…。

杉本:全日本?

阿部:目指す?

近藤:全日本はいいんですけど(笑)。この同期二人がまたでっかい舞台に行って、また上から応援できたら楽しいなと思ってます。

阿部&杉本:そこはまたベンチだろ(笑)。

近藤:ベンチか。ベンチ入ります(笑)。

写真:杉本和也(早稲田大学)/阿部悠人(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部

取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

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