パリ五輪、茨城県勢挑む 開幕まで半年 Sクライミング 森、楢崎 柔道 永瀬

世界クライミングの女子リード準決勝で課題に挑む森秋彩=2023年8月6日、ベルン

パリ五輪開幕まで26日で半年となった。出場内定を決めた茨城県勢は、スポーツクライミング女子で同県つくば市出身の森秋彩(20)、同男子で同県龍ケ崎市在住の楢崎智亜(27)、柔道男子個人81キロ級でつくば市在住の永瀬貴規(30)の3選手。世界最高のアスリートが集う夢の舞台で頂点を目指す。

森は昨年8月の世界選手権女子複合で銅メダルを獲得。「ようやくチケットを取れた」と笑顔を見せた。

8人での決勝。遠くのホールドに飛び移るボルダーを6位で折り返す苦しい展開だったが、得意のリードで優勝。「負のメンタルを打ち消し、ひたすら楽しんで伸び伸びやろうと思うことができた」と振り返る。

東京五輪で銅メダルに輝いた龍ケ崎市在住の野口啓代さんに憧れてきた。「すごく格好良かった。自分も最高のパフォーマンスを見せたい」と決意を示す。

森が五輪を決めた翌日の世界選手権男子複合で、楢崎が銅メダルを獲得。東京五輪に続く2大会連続出場に「素直にうれしい」と妻の野口さんと喜んだ。

東京では金メダル候補とされながら、結果は4位。「これまでで一番きつかった大会」と振り返る。

世界選手権ではボルダーの30分後にリードが行われた。持久力を鍛えるため、通常規模の5倍で「長物」と呼ばれる壁に張り付き、前腕を強化している。今度こそ表彰台へ「チャレンジャーの気持ちで挑む」。

永瀬は東京五輪柔道男子個人81キロ級金メダリスト。「連覇を目指せるのはこの階級で私だけ」と闘志を燃やし、母校の筑波大で稽古に励む。

速さと技量の両立が求められる階級。後手に回れば逃げ場がない。「技を先に仕掛ける。どんな形でも気持ちを前面に戦う」と攻めの柔道を貫く。

五輪出場は3大会連続。本番で体も気持ちもピークとなるよう逆算する。「日本代表の使命感がある。金メダルを獲得し、帰ってきたい」と再び頂を目指す。

■もり・あい

2003年9月17日生まれ。身長154センチ。つくば市出身。手代木中-つくば開成高-筑波大。

■ならさき・ともあ

1996年6月22日生まれ。身長169センチ。栃木県出身。作新学院中-宇都宮北高-TEAMau所属。

■ながせ・たかのり

1993年10月13日生まれ。身長182センチ。長崎県出身。長崎日大高-筑波大。旭化成所属。

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