ラムネ・シャンメリー・焼酎割り用飲料などを作れるのは中小企業だけ 飲料団体が分野調整法を周知徹底

ラムネ・シャンメリー・瓶詰コーヒー飲料・瓶詰クリームソーダ・ポリエチレン詰め清涼飲料・焼酎割り用飲料の6品種は、中小清涼飲料製造企業特有の生産分野と宣言されている。同宣言は1977年に施行された分野調整法に基づくもので、大手企業が宣言に抵触しないように業界内で周知徹底が図られている。

1月19日、都内で開催された東京都清涼飲料協同組合・東京清涼飲料水工業組合の新年賀詞交歓会で、この周知徹底ぶりが確認された。

同組合は、東京都内で業務用シロップや焼酎割りなどのサワー、ミキサー飲料、ラムネ、サイダーなど様々な清涼飲料水を生産・販売している中小企業が組合員として名を連ねる。

冒頭あいさつした森田晁生理事長は「中小の清涼飲料業界も過去、様々な苦労を乗り越えてきた。情報共有して、(分野調整法を)ここまで根付かせることができたのも組合員の方々のご厚意と共助によるもの」と語る。

中小と大手の飲料企業が加盟する全国清涼飲料連合会(全清飲)でも、分野調整法の周知徹底を積極的にサポート。

来賓あいさつした全清飲の松尾嘉朗会長は「会員社が意図せず生産してしまわないよう、分野調整法に基づき定期的に全清飲運営委員会で周知するとともに全会員企業宛に文書発信にて強力に対応している。当該活動を通じて中小企業特有6品種に関して、会員企業より企画段階で相談をいただくようになり対応効果を感じている」と説明。

全清飲はラムネの輸出や価値発信も支援。

農林水産省「令和3年度加工食品輸出産地確立緊急対策補助金」の二次公募を支援し交付が決定された。

ラムネの価値発信では23年に業界紙向けラムネ取材会を開催。これについて松尾会長は「業界紙を通じて一般の方々の関心も呼び込むことができ、一般紙4媒体、TV6媒体に取り上げられ、当初の目論見以上に多くの消費者にラムネの価値を伝えることができた」と手応えを語る。

全国ラムネ協会によると、ラムネ輸出量は21年に2万2千㎘を記録。26年には4万4千㎘を見込む。

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