松山英樹 エースと“ナイスボギー”で残ったV戦線

派手なエースと我慢強さで10位に踏みとどまった(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 2日目(25日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)

ホールインワンで嫌な流れを断ち切った。

初日はノースコースで「66」を出した松山だが、サウスコースのこの日は苦しんだ。前半4番で2.8mのパーパットを外し、6番パー5で取り返したものの、7番はドライバーショットを右ラフに入れてまたボギー。「伸ばせないのか…」という展開を一振りで変えた。

8番のパー3。グリーン面が見えないほどの打ち上げで、風はフォロー、ピンはグリーン中央のエッジから14ydで切られていた。3番手のティショットで「170ydちょっと打ちました」という。8番アイアンをしっかり振り抜いた。ピン手前1mちょっとに落ちた球はバックスピンで戻り、カップに吸い込まれた。

「なんかピン方向に飛んだなと思って見ていたら、歓声が上がったので、入ったなって」。すぐさま早藤キャディとハイタッチ。過去のエースは2017年「ダンロップフェニックス」最終日の3番だけで、当時も8番アイアンだった。「日本では一回。こっちでは初めてなので、うれしかったです」と素直に喜んだ。続く9番もバーディで、前半を2アンダーで折り返した。

17番のティショットは右へ(撮影/服部謙二郎)

後半は耐えた。前半途中から乱れ始めたティショット。10、12、14番とドライバーを曲げながらもパーでしのいだが、15、17番でボギー。18番パー5は2打目をグリーン奥カラーまで運び、バーディで締めた。スコアは「71」。4位から後退したものの、10位で踏みとどまった。

17番のガードバンカーはこんなライ…(撮影/服部謙二郎)

「ティショットがフェアウェイいかなかった時点で、チャンスにつかないと思っていました。逆によく耐えられたかなって感じですね」。ズルズルいきそうな後半を1オーバーで耐えたことを評価した。17番の2打目は、球がフェアウェイバンカー内で、アドレスは片足がバンカー外のショットだった。それが今度はガードバンカーへ。またも球は縁近くに止まり、左足下がりでヘッドを入れるスペースもない。不運続きに早藤キャディを見て苦笑いした。そこからバンカー内に“レイアップ”し、4打目を寄せてボギーでしのいだ。「あそこでボギーにするか、ダボにするってだいぶ違うので良かったです」。ダブルボギーもあり得た状況で見せた冷静なジャッジと高い技術は、エースに匹敵するほど大きい。

13番グリーン。後半は耐え抜いた(撮影/服部謙二郎)

もちろん、ショットの乱れは気になる。「きょうに関してはショットに不安がある感じですけど、しっかりと練習して修正できたらいいなと思います」。トップ10で迎える決勝ラウンドは、米ツアーでは昨年7月末「3Mオープン」以来。久々の好機で首位と5打差は射程圏内だ。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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