「乱高下がなくなるのは助かる」“王様”ブロッコリーが「指定野菜」に 半世紀ぶりの“登録効果”でお得に⁉

国民生活に重要な野菜として国が指定する「指定野菜」、なんと半世紀ぶりにブロッコリーが仲間入りすることが決まりました。いま、大人気のブロッコリー、指定野菜に入るとわたしたちにはお得な側面もあるんです。

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静岡市駿河区にある惣菜が評判の飲食店です。旬の食材を使って、およそ20種類の手づくり惣菜を提供しています。

<CoCoOiDE 金子喬平オーナーシェフ>
「サラダを食べていただきたい。上にかかっているのがブロッコリーの茎を使ったドレッシングになっています」

<井手春希キャスター>
「ブロッコリーの茎なんですね。いただきます。すごくやさしい香りと味ですね」

ブロッコリーはキャベツの仲間で、日本では戦後から栽培が始まりました。栄養が豊富なことから「野菜の王様」とも呼ばれています。

<CoCoOiDE 金子喬平オーナーシェフ>
「農家さんがせっかく作ってくれているので、捨てるところなく、作っていきたい」

ブロッコリーは、いまがおいしい時期です。静岡市葵区の青果店はこの日もブロッコリーを求める客が訪れていました。

<買い物客>
「青いものはブロッコリーをつけたくなる。毎日のように(食事に)つけます」

いまや食卓に欠かせないほどの存在に成長したブロッコリー。出荷量は年々増加し。ここ10年ほどでおよそ3割ほど増えています。そこで、農林水産省はブロッコリーを国民に重要な野菜、「指定野菜」に追加する方針を決めました。

「指定野菜」とは、特に消費量が多く、国民生活に重要な野菜として国が指定しているもので、キャベツやニンジンなど14品目が指定されています。ブロッコリーの追加は1974年のジャガイモ以来、実に半世紀ぶりです。ブロッコリーが指定野菜になることで、わたしたちにはどんなメリットがあるのでしょうか。

<カネタツ 菅原純佳取締役>
「価格が落ち着いてくるのかな、ブロッコリーは割と高い時だとすごく高いので、そうなるとお客さんも手に取らないので、みんな使えるような価格帯になってくれて、おいしい時においしいものを食べてくれたらいい」

<ソイルパッション 深川知久社長>
「こちらが僕たちがちょうど収穫している畑になります。ここで2万4千のブロッコリーが収穫できます」

静岡県掛川市内の畑では、11月から5月の期間で週におよそ2~3万個のブロッコリーを生産しています。

<ソイルパッション 深川知久社長>
Q指定野菜になったことは農家としてどう?
「一番大きいのは価格の乱高下が無くなるというのが、生産するうえでは助かるところ」

指定野菜に追加されることで、価格が下落した際などに国から農家に補助金が支給されるようになるということです。

こうした政策でブロッコリーの生産は伸びることが予想され、結果として流通量が安定し価格の変動が少なくなることが見込まれます。

<ソイルパッション 深川知久社長>
Q今後のブロッコリーへの期待は?
「ブロッコリー自体がスーパーの店頭でしっかりと並ぶようになったのもここ15年、20年の世界だと思う。この指定野菜になることによって、年間を通して国産のブロッコリーが店頭に並ぶのかなと」

栄養食としても人気が高まるブロッコリー。今後、生産者が増える可能性もあり、さらに質の高い商品が手に入ることも期待されます。

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