障害のある被災者を支援 宇都宮の山中商会 バリアフリーモデルハウスを無償提供

被災した障害者に無償で貸し出すバリアフリーのモデルハウス

 【宇都宮】能登半島地震で被災した障害のある人を支援しようと、北若松原1丁目の建設会社「山中商会」は、自社に隣接する完全バリアフリーのモデルハウス1棟を無償で提供することを決めた。申し込みを受け付けている。

 モデルハウス建設から10年ほどが経過。設備も最新ではなくなったことなどから、同社は取り壊すことも考えていたが、能登半島地震を受けて被災者への貸与を決めた。代表取締役の山中一(やまなかはじめ)さん(65)は「多くの住宅支援が行われているが、障害のある被災者は困っていると思う。微力ではあるが1世帯にでも役に立てれば」と話している。

 モデルハウスは熟年世帯向けの木造平屋建て。1LDKで床面積は61.24平方メートル。アプローチはスロープ、玄関は間口が広くなっているほか、室内に段差はなく、トイレ、洗面台なども含めて車椅子でも使いやすくなっている。床暖房付きで、IHコンロ、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどの家電もそろっている。和室は約6畳。駐車場もある。

 光熱費も含めて無償。使用期間は特に限定せず、状況によって相談に応じる。「障害ある親類や知人が被災した方は連絡してほしい」という山中さん。「異業種の知り合いも多いので他の面でも相談に乗れるかもしれない」としている。

 (問)同社028.659.0219(平日の午前8時半から午後5時半)。

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