松野氏「政治不信招きおわび」 「閣僚を辞任」と離党・辞職否定

記者会見で陳謝し、頭を下げる自民党の松野前官房長官=26日午後、国会

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件で、松野博一前官房長官は26日、国会内で記者会見し「大きな政治不信を招き、おわびする」と陳謝した。「自民党でしっかりと議員活動を行っていきたい」と述べ、離党や議員辞職は否定した。

 政治資金収支報告書に記載しなかった派閥からの還流分は2018年からの5年間で計1051万円だったと改めて説明した上で「国会議員との会合費などに充てていた。私的流用はない」と強調。還流分は収支報告書に記載されていると思っていたと釈明した。

 松野氏は安倍派の実力者「5人組」の1人で、19~21年には派閥の実務を取り仕切る事務総長を務めた。会見では事務総長としての認識も問われたが「経理や会計業務には一切関知していなかった」と主張した。不記載の指示や了承も否定した。

 安倍派の解散が決まったことには「大変じくじたる思いがある」。離党勧告などの処分が取り沙汰されていることには「今回の事案を受け、閣僚を辞任した」と述べ、既に一定の責任は取ったとの見解を示した。

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