静岡県内初の導入なるか熱海市「宿泊税」…市の審議会は市長に「必要」と答申も今なぜ?

「宿泊税」の導入を目指している静岡・熱海市で、市の審議会は宿泊税が「必要」とする答申案をまとめました。導入されれば県内初となる「宿泊税」なぜ今、必要なのでしょうか?

「宿泊税の創設が必要であると認めます」

熱海市の斉藤栄市長に手渡されたのは、市の行財政審議会がまとめた「宿泊税」に関する答申案です。審議会は宿泊税の創設が「必要」と市長に答申しました。

県内有数の観光地である熱海。新型コロナの5類移行により観光客の数は回復していますが、人口減少に伴う市の税収の減少が深刻になっていました。こうしたことから熱海市は、観光振興策に充てる財源を確保するため「宿泊税」の導入を目指してきました。

今週、学識経験者や観光関係者らでつくられる市の審議会は「宿泊税」の創設が必要とする答申案を承認。これについて、市長選の公約に掲げるなど導入を目指してきた斉藤市長は…

(熱海市 斉藤 栄 市長)

「これまで約5年間、コロナの感染拡大や伊豆山の土石流もあって非常に時間がかかったが、これまで長く議論してきているがこれから熱海が持続可能な観光地になるためには必要な施策だと考えている」

市によりますと「宿泊税」は宿泊施設を利用する12歳以上を対象に1人1泊200円。これにより、観光振興策にかかる経費、年間約10億円のうち、約7億円をまかなえることになります。

一方、当初導入に懸念を示していたのが宿泊施設です。入湯税に加え、宿泊税の導入でほかの観光地に宿泊客が流れることを心配する声があり、時間をかけて議論を重ねてきたといいます。

(熱海市ホテル旅館 協同組合連合会 森田 金清 理事長

「お客様から今までよりも余分に200円お金をいただかなければいけない。宿泊税のない他の観光地、温泉地を選ぶのではないかという不安。お客様から熱海だけ余計なお金をとってというお叱りを受けるのではないかという」「不安があった」

宿泊施設でつくる組合は「宿泊税」について、海上花火大会の増加や新たなイベントの開催など宿泊客にメリットがある施策に使うよう市に要望しています。

(熱海市ホテル旅館 協同組合連合会 森田 金清 理事長)

「新しい熱海、そして熱海に行きたいと選んでいただける観光地になるようなお金の使い方をしてもらえるように私もその一員として頑張っていきたい」「今熱海は比較的お客様が来ているといわれているが、継続すれば必ず飽きられるので、新しいものを常に提供していく努力をしていかなければいけない」

すでに東京都や大阪府、京都市などで導入されている宿泊税。今後、市議会で審議され早ければ来年4月から導入されるということです。

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