「裏金国会」異例の幕開け 自民安倍派委員長が交代

第213通常国会が召集され、衆院本会議で能登半島地震の犠牲者を悼み、黙とうする議員ら=26日午後

 26日に召集された第213通常国会は異例の幕開けとなった。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で逮捕者を出した自民安倍派の衆参両院委員長の大半が交代。召集日に通例、実施される岸田文雄首相の施政方針演説は29日に両院予算委員会で政治資金問題を巡る集中審議を開いた後、30日に行う。「裏金国会」と位置付ける野党は追及を強める構え。政治改革などを巡り、与野党が激しい論戦を繰り広げる見通しだ。

 安倍派に所属する両院の委員長らは11人が交代した。後任は26日、他派閥や無派閥の自民議員から選出された。

 衆院によると、通常国会で施政方針演説を召集日に実施しないのは補正予算案の審議を優先させた2016年以来。演説より先に予算委集中審議を開くのは極めて異例という。

 両院は1月31日~2月2日に各党代表質問を本会議で実施する。同5日から衆院予算委で24年度予算案が実質審議入りする。

 政治資金規正法改正を含む政治改革のほか、能登半島地震の復旧・復興策、少子化対策の財源が主な論点になる見込み。

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