建設業に親しんで 鹿沼・菊沢東小児童 通学路で体験授業

実際の建設現場で行われた体験授業

 【鹿沼】建設業のイメージアップを図ろうと、県建設業協会鹿沼支部青年の会はこのほど、道路拡幅工事が進む県道で、近くの菊沢東小の児童を招いた体験授業を行った。作業車の搭乗体験や、建設中の橋台への“落書き”などの企画を用意。通学路にもなっている身近な現場での体験を通して、建設業界に親しんでもらう狙い。県内初の試みという。

◇ほかにもWeb写真館に写真

 同会は毎年小学校などで出前授業を行っているが、児童が実際の建設作業現場を訪れるのは初めて。現場は県が整備中の千渡の県道鹿沼環状線千渡北工区の約300メートルの区画。片側2車線への拡幅や武子川をまたぐ橋の架け替え工事を行っている。

 体験授業には県鹿沼土木事務所や、道路の工事受注者「三品造園土木」(富岡)、橋の下部工事の受注者「富泉興業」(千渡)の協力を得た。

 同校6年生50人が総合的な学習の時間の一環として参加。舗装前の粒の大きな石から成る「下層路盤」がむき出しの現場や、足場を組んだままの橋の下部工事の現場を見学した。

 土に埋める前の橋台に油性ペンで動物やキャラクターの絵などを自由に描いたり、歩道への雑草の浸入を防ぐ防草コンクリートが固まる前に手形を付けたりして楽しんだ。他にも現場で実際に使われているバックホーやローラー車、高さ12メートルに達する高所作業車に乗り込んだ。

 福田絢斗(ふくだあやと)君(12)は「機械を動かせて楽しかった。通学路なので完成するのが楽しみ」と笑顔を見せた。飯野敦司(いいのあつし)会長(42)は「関係機関や工事の進展など、いろんな条件が整って実現できた。この思い出が、将来就職する際に建設業を選ぶきっかけになればうれしい」と話した。

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