LRTが果たす役割議論 宇都宮でサミット開幕 全国から10市集結

サミット宣言を読み上げる佐藤市長(右から4人目)=26日午後、ライトキューブ宇都宮

 宇都宮市と芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)が開業して5カ月を迎えた26日、JR宇都宮駅東口の交流拠点ライトキューブ宇都宮で「LRT都市サミット宇都宮2024」が開幕した。LRTがある富山や路面電車のLRT化に取り組む札幌、広島など全国から10市が集い、LRTがまちづくりに果たす役割の重要性を議論した。

 宇都宮市が主催し、芳賀町とLRT運行会社の宇都宮ライトレールが共催した。同市での開催は初めて。関係者や一般市民ら計約400人が来場した。

 開会式で、国土交通省関係者がLRTや地域公共交通に関する交付金制度などを紹介。続いて同市が、LRT沿線の人口増と地価上昇や、開業後に車の交通量が1割減となり、利用者数が間もなく200万人に達することなどを報告した。

 首長会議で佐藤栄一(さとうえいいち)同市長は「電停ごとに住む人たちの歴史や思いを主体として町をつくっていく」とLRT停留場がまちづくりの拠点になるとの考えを示した。利用者が途中下車して「宇都宮の良さを知ってもらうことが必要」と観光資源開発の意義も強調した。

 最後に全体の議論を踏まえ、(1)誰もが自分の力で自由に移動できる環境整備(2)魅力と活気あふれる都市空間の形成(3)安定的な経営基盤の強化-を盛り込んだサミット宣言を採択した。

 サミットは27日まで。同日は記念講演のほか、会場周辺でマルシェなど多彩なイベントが行われる。

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