富山県内最後の避難所閉鎖 能登半島地震

自宅に戻るため荷物をまとめる避難者=高岡市古府公民館

 能登半島地震を受けて自治体が開設していた富山県内の避難所のうち、唯一残っていた高岡市古府公民館の避難所が26日、閉鎖された。身を寄せていた3世帯10人は今後の生活や住まいに不安を感じながら、荷物をまとめ公民館を後にした。

 家族5人で避難していた伏木国分の男性(32)は、一度自宅に戻り、約1カ月後に市営住宅に入居する予定だという。自宅は壁に亀裂が入るなどの被害があり、将来的に別の場所への引っ越しも考えている。男性の妻(33)は「子どもの学校のこともある。まだまだ不安や心配が続く」と漏らした。

 高齢の母親と2人で身を寄せていた伏木地区の女性は、自宅に戻らずアパートに移るというが「環境の変化で、母の認知機能が少しずつ衰えている気がする」と話す。今後の生活については「不安しかないが、なるようにしかならない」と語った。

 県によると避難所は県内15市町村で延べ417カ所に開設され、23日以降は古府公民館だけになっていた。

復旧・復興本部に切り替え 県災害対策本部

 県は26日、1日の能登半島地震の発災時から設置していた「災害対策本部」について、県内の全ての避難所が閉鎖し、応急対応がおおむね完了したことから、被災者の生活再建や公共インフラの復旧などをメインとする「復旧・復興本部」に切り替えた。

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