ポルシェ・ペンスキーはレースペースとタイヤ戦略に集中「昨年よりはるかに良い位置にいる」/デイトナ24時間

 マネージング・ディレクターのジョナサン・ディウグイドによれば、1月27〜28日に行われるデイトナ24時間レースに向け、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツはレースペースと「タイヤを長持ちさせる」ことに重点を置いており、GTPメーカー4社はそれぞれパフォーマンスの点で「かなり近い」位置にいると考えているという。

 キャデラックは4回のプラクティス・セッションすべてでタイムチャートトップに立ち、週末に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のポールポジション獲得を決めているが、ディウグイドはポルシェ・ペンスキーは1周のペースに集中していないと主張している。1月21日に行われた予選で彼らは、7号車が3番手、6号車が7番手につけた。

「(キャデラックは)良い仕事をしていると思うが、我々には我々のプログラムがあった」とディウグイド。

「レースは暖かくなるだろう。 日中の暑さの中で、タイヤをダブルスティントしなければならないとき、タイヤを長持ちさせるのは誰にとっても大変なことになると思う」

「それが、我々が焦点を当ててきたことであり、いつ(ニュー)タイヤを使用するのか、いつ使用しないのかというタイヤ戦略を見出そうとしているだけだ。でも、我々は問題ないところに立てていると思う」

 先週末の公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』と練習セッションでは、レースに必要と思われるタイヤコンパウンドを節約することに重点が置かれていたと、ディウグイドは明かした。

 GTP チームはイベント全体で33セットのタイヤの使用が許可されており、そのうち予選とレースでは最大21セットが使用できる。また、決勝レースの午後7時から午前8時までの夜間のみ、ミシュランのソフト・コンパウンドの使用が許可されている。一方で、レース中のミディアム・コンパウンドには使用制限はない。

 昨年から変更されたこの制限下では、チームはレースの一部でダブルスティントを行う必要がある。

■20kgの重量増を体感するドライバーたち

 ポルシェ963とアキュラARX-06は、2023年のデイトナと比較した場合、BoP(性能調整)による車両の最低重量増加に対処する必要がある。アキュラは42kg増加、マルチマチックのシャシーをベースとするポルシェの場合は20kg重くなっている。

「クルマの重量は、間違いなく気づくものだ」とディウグイド。

「決して軽くはない。20kgだよ」

「ドライバーたちはそれを感じ取っている。(木曜日の)2回の日中のセッションのように、タイヤに頼る日中の暑さの中では、間違いなくそれに気づく」

「とくに路面温度が上昇すると、ここで使用しているミディアムコンパウンドは高温側のレンジとはいえ、時には走行すべき温度レンジを超えてしまうこともある」

「我々が背負っている余分な重量と余分なパワーを見てみると、我々は他のライバルよりもタイヤに負担がかかることになるだろう」

 そんな困難があるにもかかわらず、ディウグイドはレースでのチャンスについて楽観的に捉えている。

「一般的に、パフォーマンスの点では、(4メーカーの)誰もがかなり近いところにいると思う」と彼は言う。

「きちんと実行すること、ミスをしないこと、クルマをコース上に保ち、最後の6時間を戦えるかどうかが重要だ」

「我々のスペアレベルの準備を見てみると……スペアのギアボックス、前後カウル、ブレーキ、バッテリーなどすべてを準備してきたが、昨年よりもはるかに良い位置にいるのは間違いない」

「クルマの技術的な面から見ると、ここ2週間の走行で、停止に至る故障は一度もなかった。昨年は決してそんなことはなかったので、自信を持っていいと思う」

「我々はたくさんの下調べをして、たくさんの努力をしてきた。我々のドライバーはプラクティスを通して素晴らしい仕事をしてくれた」

「どこでどうなるか、見てみよう。すべてのGTPメーカーの間で良い戦いになると思う」

「それがIMSAの素晴らしいところだ。レースは接戦となり、マシンたちは常に近くを走ることだろう」

デイトナ24時間決勝に向けプラクティスで準備を進めるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのクルー

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