21世紀枠・水戸一、センバツ逃す 「残念」「夏、甲子園へ」OBエール 茨城

第96回選抜高校野球大会の出場を逃し、険しい表情を見せる水戸一高OBたち=26日午後3時34分、水戸市三の丸の同校

第96回選抜高校野球大会の21世紀枠候補校だった茨城県立水戸一高(水戸市三の丸)は、同枠での出場校に選出されず、念願はかなわなかった。26日、同校内で祈るように発表を待ったOBたちは「4度目の甲子園出場とならず残念」と肩を落としながらも、「これで終わりじゃない。夏の甲子園を目指して頑張ってほしい」とエールの言葉を述べた。

午後3時半ごろ、選考委員会の様子がインターネットで生配信された。最初に同枠の出場2校が発表され、別海(北海道)と田辺(和歌山)の校名が読み上げられると、OBたちは天を仰いだ。

OBは同2時半ごろに集合。硬式野球部OBの「水府倶楽部」のほか、誰でも加入できる同部後援会「三の丸倶楽部」、水戸中・水戸一高同窓会の「知道会」の各幹部らが、県内外から駆け付けていた。

水府倶楽部の船橋信正幹事長は「残念だが、選手の努力や価値が変わるわけではない。下を向くことなく勉強も野球も良い活動を続け、応援してもらえる野球部として春、夏に向け頑張ってほしい」と期待した。知道会の河野秀幸幹事長は「今後もOB、OGが一丸となって支援していく」と力を込めた。

三の丸倶楽部の森利克事務局長は発表後にグラウンドへ向かい、目を赤くした選手たちを「残念だったね。また頑張ろうな」と激励。森事務局長は練習試合を含めた全試合を観戦、応援しており、「候補校になったことが立派。この落選でめげるような部員じゃない」と言い切った。

この日は「学生野球の父」と呼ばれ、野球殿堂入りしたOB飛田穂洲の命日でもあった。船橋幹事長は同日午前、墓参りをしたといい、「今回の結果を受け、『一球入魂』という言葉に象徴される飛田先生の教え、生きざまを部員にもっともっと伝えていきたいと改めて思った」と話した。

■「勝利を」常総OB会激励

第96回選抜高校野球大会出場への吉報が届いた常総学院高(茨城県土浦市中村西根)では、3年ぶりの「センバツ」に、硬式野球部OBから喜びの声が上がった。

硬式野球部OB会「常友会」の稲川馨会長は、同高野球場に駆け付け、スマートフォンで出場校が発表されるネット中継を見守った。出場決定を受け、「ほっとした。まずは1勝して流れに乗ってもらいたい」と笑顔を見せた。

この日、同会はチームを激励しようと、監督やコーチ、マネジャーを含む全部員分約90個のネックウオーマーと、バット20本を寄贈した。ネックウオーマーは常総学院カラーのえんじ色で、選手一人一人の名字が刺しゅうされている。稲川会長は「投手陣はフォアボールを少なくし、攻撃陣はしっかりバントをしたり進塁打を打ったりして、監督やコーチの指示を仰げば勝利は見えてくる。頑張ってほしい」と背中を押した。

■大井川和彦知事の話

3年ぶり11回目となる選出は大変喜ばしく、選手や監督をはじめ、関係者の皆さまに心からお祝い申し上げる。憧れの甲子園では、持てる力を最大限に発揮していただき、皆さんの活躍で県民に感動を与えてくれることを期待している。

■安藤真理子土浦市長の話

春の選抜高校野球大会への出場、誠におめでとうございます。甲子園では、紫紺の大優勝旗を目指して、常総学院らしいはつらつとしたプレーを存分に発揮し、地元土浦に元気と希望を与えていただきたいと思います。

常総学院高硬式野球部OB会「常友会」の稲川馨会長(左)から記念品を受け取る若林佑真主将=土浦市中村西根

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