「間違ったとしても…」運転中に気になったエプロン姿の女性、勇気出して声かけ 不明の高齢者を保護

竹迫博樹署長から感謝状を受け取る滝川妙子さん=福崎署

 行方が分からなくなっていた高齢女性を保護したとして、兵庫県警福崎署は22日、同県福崎町の滝川妙子さん(42)に署長感謝状を贈った。夜道をとぼとぼ歩く女性を見つけ、勇気を出して声をかけたという。滝川さんは「無事に見つけて連れて帰られて良かった」と話す。

 滝川さんは昨年12月29日の午後6時ごろ、近くに住む1人暮らしの90代女性の居場所が分からなくなっていると防災無線で知った。

 暗くなる時間帯。面識はなかったが、田や用水路に落ちたら危ないと考え、家族に周辺を捜すよう頼んだ。自身は息子を塾に送るため車で外出。その帰り、地元から1キロ以上離れた道路沿いをエプロン姿で歩く女性を見て、気になった。

 一度通り過ぎたが、「間違ったとしても、何もしなかったら後悔する」と決心して車を降りた。電話で夫にまだ見つかっていないことを聞き、急いで女性を追った。無線で聞いた名前であることを確認し、「みんな捜しているので公民館へ帰りましょうか」と声をかけた。女性は外出後、家の場所が分からなくなった様子で、素直に応じた。

 同署によると、通報は夕方だったが、普段は閉まっている女性宅のシャッターが開いたままだったため、近隣住民が昼頃から捜していたという。竹迫博樹署長は「寒く、命に関わる時間帯にためらわず動いてくれたことに感謝します」と話した。 (喜田美咲)

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