新型コルベット導入のAWA、『Z06 GT3.R』2台での初陣はプロセスを重視/デイトナ24時間

 AWAは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で『シボレー・コルベットZ06 GT3.R』を走らせる最初の週末について、結果にこだわってはいない。チームオーナーのアンドリュー・ウォイテチュコは、チームがGTDクラスでの初レースをうまくこなすことができれば、「マシンがどの順位でフィニッシュしようとも、成功した週末になるだろう」と語った。

 カナダのチームは今週末、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われるシリーズ開幕戦『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』に、コルベットの新型GT3マシンを2台投入する。これはLMP3から参戦カテゴリーをスイッチしたAWAにとって、初めてのGTDレースとなる。

 2023年11月に2台のニューマシンを受け取った同チームは、コルベットのファクトリードライバーであるチャーリー・イーストウッドやキャデラックのハイパーカー・スターであるアレックス・リンといった著名なドライバーをフロリダでの耐久レースのために起用している。それにもかかわらず、ウォイテチュコはSportscar365に対し、チームは「プロセス重視」であり、コルベットでの初レースで達成すべき目標を見ようとはしていないと語った。

「私はそれが正しいアプローチだとは思わないので、結果を目標には設定しない」と同氏。

「我々はプロセスを重視しているし、そのプロセスを正しく実行し、遂行することができれば、マシンの順位に関係なく成功した週末になるだろう」

「コース上では我々がコントロールできないことがたくさん起こり得る。だから、自分たちができることを精一杯やるつもりだし、それができれば成功と言えるだろう」

 日曜日の午後に2台のマシンをフィニッシュさせることは、チームにとって良い結果になるかと訊ねると、ウォイテチュコは次のように答えた。「それは素晴らしいことだ」

 AWAがLMP3からコルベットでのGTDプログラムに転換するなか、ウォイテチュコは何人かの注目すべき人物を重要なポジションに起用し、チームの体制を強化した。この中では、過去にレクサスのGTDプログラムの一翼を担っていたAIMオートスポーツの共同オーナーであるキース・ウィリスがチームマネージャーに、同チームでエンジニアを務めていたジェフ・ブラウンが17号車のコンペティション・ディレクター兼レース・ストラテジストに任命されている。

AWAの2台目、17号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(アンソニー・マンテラ/ニコ・バローネ/トーマス・メリル/チャーリー・イーストウッド組)

■新車へのの理解を助けたGMとプラット・ミラーに感謝

「私の目標は、つねにできる限り優秀なスタッフに囲まれることだ」と語ったウォイテチュコ。

「それが成功へのカギのひとつだと思う。もっとも有能な人材を自分の周りに置くことはチームの大きな目標であり、それは今に始まったことではない」

「一年ずつ成長し、関係を築くことができたと思う。そして、尊敬に基づいた文化である素晴らしいホームを作ることができたと考えている。それは、一部の才能が活動するのに最適な場所であり、彼らはここにいることを喜んでいる」

 LMP3マシンからGT3マシンに乗り換えたにもかかわらず、ウォイテチュコはチームの運営面では比較的変更が少なかったと語り、コルベットへのスイッチは「考えられているほどの変化ではない」と付け加えた。

「エンジニアリングの深さが広がっただけで、それ以外は変わらない。私たちは同じシリーズで同じようなスケジュールを実行している。それはチームにとって、考えられているほどの変化ではないと思う」

「クルマそのものは、そうだね、それを学んで理解する必要があるし、それには時間と準備が必要だ。でも、チームとしては、僕らの体制はこれまでやっていたことと非常に似ていると言えるだろう」

 新車についての詳細を学ぶことに関しては、理解のプロセスを早めるためにGM(ゼネラルモーターズ)とプラット・ミラーのサポートに頼ることができたという。

「プラット・ミラーのメンバーやGMのメンバー、彼らはとても経験豊富だ」と語ったウォイテチュコ。

「彼らはクルマのことをとてもよく理解している。だから、我々からの質問やクルマを学習するスピードを上げるために非常に役立った。私たちはそのことに感謝している」

GTDプロクラスに参戦するコルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツの4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R

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