岩手中央タクシー破産申請へ 全85人解雇、負債3.6億円

 盛岡市開運橋通の岩手中央タクシー(資本金1800万円、佐々木康太郎社長)は破産申請の準備に入った。31日まで営業し、事業を停止する。従業員85人は同日付で全員解雇する。東京商工リサーチ盛岡支店によると、負債総額は3億6768万円。約80台を運行し、県内で業界2番目の規模だが、新型コロナウイルス禍などで経営が悪化した。

 1952年に設立し、81年に現在地に移転。盛岡と花巻市に事業所を置き、ピークとなる92年7月期に売上高13億7千万円を計上した。一方で、人口減少や同業他社との競争激化で徐々に利用が減り、2004年7月期には売上高10億円を割り込んだ。

 介護タクシーや子育て支援タクシー、運転代行、IGRいわて銀河鉄道との連携など利用促進に努めたほか、車両を減らすなど経費節減を進めたが、コロナ禍で外出を控える傾向が強まり、さらなる減収を余儀なくされた。

© 株式会社岩手日報社