トランプ氏に123億円賠償命令 女性作家の名誉毀損、悪意認定

26日、米ニューヨークの「トランプタワー」から連邦地裁へ向かうトランプ前大統領(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】トランプ前米大統領が28年前の女性作家への性的暴行を否定し、作家の名誉を毀損したとして損害賠償を求められた訴訟で、ニューヨークの連邦地裁の陪審は26日、総額8330万ドル(約123億4千万円)の支払いを命じる評決を下した。トランプ氏に「悪意があった」と認定し、損害賠償額に加えて6500万ドルの懲罰的賠償を科した。

 トランプ氏は声明で「完全にばかげている」と控訴する意向を表明。「司法制度が政治的な武器として使われている」と主張した。複数の刑事、民事訴訟を抱えるトランプ氏は、大統領選の共和党候補指名争いの合間に頻繁に出廷。自身に対する政治的迫害だと支持層にアピールしている。

 原告の作家ジーン・キャロルさんは2019年に回顧録などで、1995年秋から96年春ごろにかけてトランプ氏にニューヨークの高級百貨店の試着室で強姦されたと告白。在任中だったトランプ氏は、キャロルさんと面識はなく本を売るためのうそだと批判していた。

© 一般社団法人共同通信社