コンビニ店員、特殊詐欺2件防ぐ 電子マネーカード求める高齢者に声かけ「ただ救いたいという思いで動いた」

特殊詐欺を防ぎ感謝状を受け取る臼井香奈さん(手前)と東彪吾さん(右)=淡路署

 電子マネーカードを購入するよう指示される手口の特殊詐欺を未然に防いだとして、兵庫県警淡路署は、ローソン一宮町郡家店(同県淡路市郡家)の店員東彪吾さん(28)=淡路市、臼井香奈さん(38)=洲本市=の2人に感謝状を贈った。

 昨年10月11日午後4時ごろ、淡路市内の高齢男性がメモ帳を手に「アプリカード」を求めて来店。東さんが事情を聞いたところ、男性が、パソコン画面にハッキングされたことを伝える表示が現れ、記された番号に電話すると、電子マネーカードを購入して入金するように指示された-と話したため、詐欺だと確信。110番し、被害を防いだ。

 臼井さんは、同11月12日正午ごろ、9万円分の電子マネーカードを購入しようと訪れた市内の高齢女性に対応した。売り場に案内しつつ「高額ですが、大丈夫ですか」と声をかけると、女性は、パソコンの画面に故障と表示され、電話をかけると金を請求された-と説明。臼井さんは不審に思って通報し、入金するのを食い止めた。

 東さんは「大きな被害を防げてうれしい」と笑顔。臼井さんは「ただ救いたいという思いで動いた」と振り返った。同店オーナー成瀬英樹さん(54)=洲本市=は「2人を誇りに思う。高齢者が被害に遭わなくて良かった。今後も被害を防げるように従業員に指導したい」と力を込めた。

 同署の山本達也署長は「コンビニは特殊詐欺被害を防ぐ最後のとりで。連携して少しでも減らしたい」と表情を引き締めた。(古田真央子)

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