弥生時代の味?!「飯蛸だし醤油」を特産に 兵庫・播磨町の飲食店、地域の歴史にちなみ開発

イイダコだしの香りが特徴的な醤油「飯蛸だし醤油 弥生の香り」=播磨町南大中2

 兵庫県播磨町に古くから伝わる味にちなんで開発された調味料「飯蛸(いいだこ)だし醤油(しょうゆ) 弥生の香り」が販売される。古くから地域一帯で盛んだったイイダコ漁や、しょうゆの原形とされた「醤(ひしお)」が製造されていたとする歴史から着想を得た。開発・販売する飲食店「PRIRICO(プリリコ)」=南大中2=の中谷裕美子代表は「しょうゆの風味や味わいから、弥生時代の播磨町に思いをはせてもらえる一品になった」と話す。(宮崎真彦)

 町には目玉となる特産品が少なく「長年住んでいて(特産品がない)と決めつけている部分があった」と中谷さん。昨年春に町商工会の町特産品開発支援事業も活用して、商品開発への挑戦を決めた。

 中小企業診断士など専門家を迎えて町内各地を巡り、商品につながるものを探索。昨年4月にあったイベント「はりま春風フェス」の来場者からアンケートを取り、町のイメージ調査を行った。

 アンケートや専門家の意見から、大中遺跡や弥生時代に関連したものを商品のテーマに据えることを決定。町郷土資料館(大中1)の学芸員も監修としてプロジェクトに加わり、多くの人が手にしやすい食品を特産品に位置づけした。

 弥生時代、播磨町ではイイダコ漁が盛んで、大中遺跡から数多くのタコ漁のつぼが発掘されていた。また、しょうゆの原形とされる醤が作られていたのも同時代後期とされる。こうした歴史から、イイダコを材料にした醤があったかもしれないとイメージしつつ、改良を何度も重ねて今年に入り完成した。

 ラベルには弥生時代のイイダコ漁の様子を描いたイラストが入り、弥生式の土器をイメージして茶色の包装とした。商品は、ほのかなイイダコだしの香りが特徴で、卵かけごはんや豆腐料理、だし巻き卵などシンプルな料理に組み合わせて使うのがお薦めという。

 一瓶200ミリリットル入りで税込み660円。特設ホームページ、https://ganen‐karaage.com/menuで先行予約を受け付けている。プリリコTEL070.1768.2115

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