将棋の菅井竜也八段(31)=岡山市=が藤井聡太王将(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・棋聖との八冠=に挑む第73期王将戦7番勝負の第3局が27日、島根県大田市の「国民宿舎さんべ荘」で始まった。2日制の初日から激しい攻め合いとなり、中盤の勝負どころで菅井八段が45手目を封じた。
第1、2局を落とし、白星で反撃ののろしを上げたい先手の菅井八段は、序盤に飛車を8筋に振り、相手の飛車と向かい合う形の「向かい飛車」の戦法を選択。藤井王将とのタイトル戦では、昨年の叡王戦5番勝負を含め、これまで全て「三間飛車」に構えてきたが、ここで初めて別の戦型を採用し、序盤は互いに出方を探る駆け引きが続いた。
午後に入り、菅井八段が7筋の歩を突いて仕掛けると、藤井王将も応じて開戦。難解な攻防が続く中、午後6時過ぎに菅井八段が封じ手を行い1日目を終えた。日本将棋連盟常務理事として現地入りしていた菅井八段の師匠井上慶太九段(60)は「第1、2局に比べ菅井八段らしい攻める振り飛車が指せている。2日目もおそらく激しい戦いが続く中、どちらが優勢を築いていくか注目したい」と話した。
王将戦7番勝負の持ち時間は各8時間で、残りは菅井八段3時間50分、藤井王将4時間31分。2日目は午前9時に封じ手を開いて対局を再開し、夜までに決着がつく見通し。